令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.45は、空気調和設備の熱源機器に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、ヒートポンプが外気のどこから熱を取るかを分かっているかを問うものです。外の空気から熱を取るので、外が寒いほど取れる熱が減ります。
選択肢2は「高くなると能力が低下する」と逆に書いています。
正解:選択肢2(外気温度が高くなると能力が低下する)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 遠心冷凍機は大規模の建物に適する | 大容量向き。適当 |
| 2 | 暖房は外気温度が高くなると能力が低下 | 逆。低くなると低下する。不適当 |
| 3 | ガスヒートポンプは圧縮機をガスエンジンで駆動 | 名前のとおり。適当 |
| 4 | マルチパッケージは1台の屋外機に複数の屋内機 | 構成のとおり。適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、冷房のことを考えると「外が暑いほど効かない」が正しいので、暖房でも同じだと思ってしまうところです。暖房と冷房では熱を取る向きが逆になります。
| 運転 | 熱の動き | 能力が落ちるとき |
|---|---|---|
| 暖房 | 外気から室内へ | 外気温度が低いとき。取れる熱が少ない |
| 冷房 | 室内から外気へ | 外気温度が高いとき。捨てる先が熱い |
ヒートポンプは熱を作るのではなく、ある場所から別の場所へ移す機械です。暖房では外の空気を熱源にするので、外気が冷たいほど汲み上げられる熱が減ります。真冬に暖房の効きが落ちるのはこのためです。
もう1つ、外気温度が下がると屋外機の熱交換器に霜が付きます。霜が付くと熱が伝わらなくなるので、途中で霜取り運転に入ります。その間は暖房が止まるので、実際の能力はさらに下がります。
平成26年度 No.49には「空気熱源ヒートポンプパッケージ方式での暖房運転では、外気温度が低下するとヒートポンプの能力が上昇する。」という選択肢があり、これが誤りとされました(公表正答は4)。外気温度が低下すると能力は低下します。
今回の選択肢2は向きを変えて「高くなると低下する」と書いていますが、どちらも同じ誤りです。暖房では、外気温度が高いほうが能力は上がります。
選択肢1の遠心冷凍機は、羽根車で冷媒を圧縮するターボ冷凍機のことです。1台で大きな容量を出せるので、大規模な建物の熱源に向きます。往復動冷凍機はピストンで圧縮するもので、小さめの容量が中心です。
選択肢3のガスヒートポンプは、圧縮機を電動機ではなくガスエンジンで回すものです。電気の契約容量を抑えられ、エンジンの排熱を暖房に使えるので寒いときに強いという利点があります。
選択肢4のマルチパッケージ形は、1台の屋外機に複数の屋内機をつなぐ形式です。部屋ごとに運転や停止ができるので、使っている部屋だけ空調するという使い方ができます。
空気熱源ヒートポンプの暖房能力が落ちるのはどんなときか。
外気温度が低いときです。外の空気から熱を取るため、外が冷たいほど汲み上げられる熱が減ります。
ガスヒートポンプ冷暖房機の圧縮機は何で駆動するか。
ガスエンジンです。電気の契約容量を抑えられ、エンジンの排熱を暖房に利用できます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月