令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.42は、鉄道信号保安に関する用語の定義として、「日本産業規格(JIS)」上、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、信号・合図・標識の使い分けを分かっているかを問うものです。この3つは別々に定義されていて、互いに言い換えられません。
選択肢1は信号の定義に合図と標識を混ぜています。
正解:選択肢1(信号とは、合図、標識などで条件・状態を表すこと)
| 選択肢 | 用語と定義 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 信号=合図、標識などで表すこと | 3つは別の用語。不適当 |
| 2 | 閉そく=一定区間を1列車だけに専用 | 定義どおり。適当 |
| 3 | 転てつ器=線路を分岐させるもの | 定義どおり。適当 |
| 4 | 軌道回路=レールを用いる検知回路 | 定義どおり。適当 |
不適当なのは選択肢1です。
引っかけの核心は、日常の言葉では信号も合図も同じような意味で使うので、並べて書かれても違和感がないところです。鉄道では誰に向けて何を伝えるかで3つに分けています。
| 用語 | 伝える相手 | 伝える内容 |
|---|---|---|
| 信号 | 運転する係員 | 進んでよいか、どの速度で走るかという運転の条件 |
| 合図 | 係員どうし | 互いの意思。発車の合図、入換の合図など |
| 標識 | 見る人すべて | 物の位置や方向、条件。停止位置目標など |
信号は列車を動かしてよいかどうかを決めるものです。合図は人と人の間で意思を伝えるもの、標識はそこに何があるかを示すものです。役割が違うので、信号を「合図や標識で表すこと」と言ってしまうと定義になりません。
選択肢2の閉そくは、同じ区間に2つ以上の列車を入れないための仕組みです。前を走る列車がその区間を出るまで、次の列車は入れません。追突を防ぐ最も基本的な考え方です。
平成27年度 No.46には「線路の一定区間を1列車だけの運転に専用させることを閉そくという。」という選択肢があり、誤りとされませんでした(公表正答は2で、そちらは自動列車停止装置の説明が誤りでした)。閉そくの定義はこのとおりです。
選択肢3の転てつ器は、レールを動かして列車の進む方向を変える装置です。ポイントと呼ばれるもので、電気転てつ機で遠隔から動かします。
選択肢4の軌道回路は、レールそのものを電線として使う回路です。列車の車軸が2本のレールをつなぐと回路が短絡し、電流の流れ方が変わることで列車がいると分かります。平成27年度 No.46でも、軌道回路を分布定数回路とみなす記述が正しい選択肢として置かれていました。
信号と合図はどう違うか。
信号は運転する係員に運転の条件を示すもの、合図は係員どうしで意思を伝えるものです。別の用語として定義されています。
軌道回路はどうやって列車を検知するか。
列車の車軸が2本のレールをつないで回路を短絡させ、電流の流れ方が変わることで検知します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月