令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.28は、電動機を接続しない分岐幹線において、分岐幹線保護用過電流遮断器を省略できる分岐幹線の長さと許容電流の組合せとして、「電気設備の技術基準とその解釈」上、適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、長さで必要な許容電流が変わることを分かっているかを問うものです。3m以下なら制限なし、8m以下なら35%以上、8mを超えたら55%以上です。
図の幹線保護用過電流遮断器は定格100Aなので、35%=35A、55%=55Aが分かれ目になります。
正解:選択肢4(12m・60A)
| 選択肢 | 長さ・許容電流 | 必要な値 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 1 | 4m・20A | 35A以上 | 足りない |
| 2 | 6m・30A | 35A以上 | 足りない |
| 3 | 10m・50A | 55A以上 | 足りない |
| 4 | 12m・60A | 55A以上 | 満たす |
適当なのは選択肢4です。
幹線保護用過電流遮断器の定格電流が100Aなので、まず2つの境目の値を出します。
境目になる許容電流
3mを超え8m以下:100 × 0.35 = 35A
8mを超える:100 × 0.55 = 55A
あとは選択肢ごとに、長さがどの区分に入るかを見て、許容電流と比べます。
選択肢の判定
1. 4m → 3m超8m以下 → 35A以上が要る。20Aは不足
2. 6m → 3m超8m以下 → 35A以上が要る。30Aは不足
3. 10m → 8m超 → 55A以上が要る。50Aは不足
4. 12m → 8m超 → 55A以上が要る。60A ≧ 55A で満たす
選択肢3と4は、どちらも8mを超えているので必要な値は同じ55Aです。50Aと60Aのどちらが55Aを上回るかだけの違いになります。
省略できる条件は、長さで3段に分かれます。
| 分岐幹線の長さ | 必要な許容電流 |
|---|---|
| 3m以下 | 制限なし |
| 3mを超え8m以下 | 幹線の過電流遮断器の定格の35%以上 |
| 8mを超える | 幹線の過電流遮断器の定格の55%以上 |
この規定の考え方は、短いほど事故が起きる確率が低く、長いほど太くしておく必要があるということです。3m以下なら、分岐点から遮断器までの間で短絡が起きる可能性が低いとみて、電線の太さを問いません。
長くなるほど許容電流を上げるのは、幹線側の遮断器で分岐幹線も守れるようにするためです。分岐幹線が細すぎると、幹線の遮断器が動く前に分岐幹線が焼けてしまいます。
問題文の「電動機を接続しない」という条件も見落とせません。電動機があると始動電流が流れるので、遮断器の選び方が別の規定に変わります。この問題では電動機がないので、上の表をそのまま当てはめられます。
幹線の過電流遮断器が100Aのとき、10mの分岐幹線に必要な許容電流はいくらか。
55A以上です。8mを超えるので100×0.55=55Aとなります。
分岐幹線の長さが3m以下のとき、許容電流の条件はどうなるか。
制限はありません。短いため分岐点から遮断器までで事故が起きる可能性が低いとみています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月