令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.25は、平均演色評価数(Ra)が80以上の光源を使用することが望ましい所として、「日本産業規格(JIS)」の「屋内照明基準」上、定められていないものを選ぶ問題です。
この問題は、色を正しく見る必要がどこにあるかを分かっているかを問うものです。人がとどまって作業したり、顔色を見たりする場所に求められます。
通り抜けるだけの場所には求められません。
正解:選択肢1(廊下)
| 選択肢 | 場所 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 廊下 | 通り抜ける場所。定められていない |
| 2 | 便所 | 身だしなみを整え顔色を見る。定められている |
| 3 | 事務室 | 長時間の作業をする。定められている |
| 4 | ラウンジ | 人と会い、とどまる。定められている |
定められていないのは選択肢1です。
引っかけの核心は、廊下も便所も「主な用事のための部屋ではない」という点で同じに見えるところです。分かれ目はそこで人の色を見るか、色を見分ける必要があるかです。
平均演色評価数(Ra)は、その光源で照らしたときに物の色が自然光の下と比べてどれだけ正しく見えるかを表す数値です。最大が100で、値が大きいほど自然な色に見えます。
| 場所の性格 | 例 | Ra80以上が要るか |
|---|---|---|
| とどまって作業する | 事務室、会議室 | 要る |
| 人と会う・顔色を見る | ラウンジ、便所(化粧室) | 要る |
| 通り抜けるだけ | 廊下、階段 | 求められない |
| 人が常時いない | 倉庫、配電盤室 | 求められない |
平成29年度 No.28は同じ論点を裏返して出しています。「Ra80以上のランプを使用することが望ましい所として定められているもの」を選ぶ問題で、選択肢は倉庫・配電盤室・階段・化粧室でした。答えは化粧室です(公表正答は4)。倉庫・配電盤室・階段の3つは定められておらず、化粧室は定められている、と公表正答の側から確認できます。
階段が入らないのに化粧室が入る理由は、鏡の前で自分の顔色を見るからです。同じ「部屋ではない場所」でも、色を見るかどうかで扱いが分かれます。今回の廊下は、この階段と同じ側です。
演色性が落ちるとどうなるかは、光源の作り方で決まります。光の色(色温度)が同じでも、含まれている波長の幅が狭いと特定の色が沈んで見えます。低圧ナトリウムランプは黄色の単色に近いので、演色性はほとんどありません。トンネルや道路のように、物の形が分かればよい場所で使われます。
逆にハロゲン電球や白熱電球は幅の広い光を出すので演色性が高く、店舗の商品の照明などに向きます。LEDは製品によって幅があり、Ra80以上のものと、それに満たないものがあります。事務室や店舗に使うなら、Raの値を確かめて選びます。
廊下と便所で扱いが分かれるのはなぜか。
便所は鏡の前で顔色を見る場所だからです。廊下は通り抜けるだけなので、Ra80以上は求められません。
平均演色評価数の最大値はいくつか。
100です。値が大きいほど、基準の光で見たときに近い色に見えます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月