令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.91は、使用者が労働契約の締結に際し、労働者に対して書面の交付により明示しなければならない労働条件として、「労働基準法」上、定められていないものを選ぶ問題です。
この問題は、明示すべき労働条件と、書面で渡すべき労働条件が別だということを分かっているかを問うものです。書面の交付が要るのは、最初の4項目だけです。
休職はそこに入っていません。
正解:選択肢1(休職に関する事項)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 休職に関する事項 | 定められていない。第11号で書面の対象外 |
| 2 | 従事すべき業務に関する事項 | 定められている。第1号の三 |
| 3 | 就業の場所に関する事項 | 定められている。第1号の三 |
| 4 | 退職に関する事項 | 定められている。第4号 |
定められていないのは選択肢1です。
引っかけの核心は、休職も労働条件のひとつなので、明示すべき事項の一覧に入っているところです。入っているのは明示すべき事項の一覧であって、書面交付が要る一覧ではありません。
労働基準法施行規則第5条は、2段構えになっています。
| 項 | 中身 | 範囲 |
|---|---|---|
| 第1項 | 明示しなければならない労働条件 | 第1号から第11号(休職)まで |
| 第3項 | 書面の交付が要るもの | 第1号から第4号まで(昇給に関する事項を除く) |
休職は第11号にあり、書面交付を求める第3項の範囲(第1号から第4号まで)の外にあります。だから書面で渡す義務はありません。
第1号から第4号までの中身は次のとおりです。
| 号 | 事項 |
|---|---|
| 第1号 | 労働契約の期間に関する事項 |
| 第1号の二 | 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項 |
| 第1号の三 | 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項 |
| 第2号 | 始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇など |
| 第3号 | 賃金の決定、計算及び支払の方法、締切り及び支払の時期 |
| 第4号 | 退職に関する事項(解雇の事由を含む) |
選択肢2と選択肢3は第1号の三の前半と後半を切り分けたものです。就業の場所も従事すべき業務も、同じ号に並んで書かれています。
この論点は答えが動きません。
| 出題 | 公表正答 | その番号の選択肢 |
|---|---|---|
| 平成28年度 1級 No.91 | 3 | 休職に関する事項 |
| 令和5年度 1級 No.91 | 1 | 休職に関する事項 |
| 令和8年度 1級 No.88 | 2 | 休職に関する事項 |
3年度とも並ぶ4つのうち休職だけが外れます。番号は動きますが、選ぶものは変わりません。
なお令和8年度の問題文は書面の交付又は電子メール等の送信によりと書かれています。労働者が希望した場合は、ファクシミリや電子メールでの明示も認められるようになったためです。
休職に関する事項は明示しなくてよいのか。
定めをする場合は明示すべき事項に入っています。書面の交付が求められる第1号から第4号までの範囲に入っていないだけです。
書面の交付以外の方法で労働条件を明示できるか。
労働者が希望した場合は、ファクシミリの送信や電子メール等の送信によることができます。ただし労働者が出力して書面を作成できるものに限られます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月