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令和5年度 1級電気工事施工管理技士 No.86を解説、維持するのは持っている人

令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.86は、「建築基準法」上、誤っているものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は、建物を適法な状態に保つ義務を誰が負うかを分かっているかを問うものです。義務を負うのは、その建物を持っている人・管理している人・使っている人です

役所の側ではありません。

正解:選択肢4(建築主事が常時適法な状態にするよう努めるとした記述)

各選択肢の正誤

選択肢 内容 解説
1 建築物の定義に建築設備を含む 正しい。第2条第1号の文言どおり
2 倉庫・自動車車庫・危険物の貯蔵場は特殊建築物 正しい。第2条第2号に列挙されている
3 耐火性能の定義 正しい。第2条第7号のかっこ書きどおり
4 建築主事が常時適法な状態にする 誤り。所有者・管理者・占有者の義務

誤りは選択肢4です。

選択肢4のポイント(ここが答え)

引っかけの核心は、法を守らせる側の建築主事を主語に置かれても、文全体がもっともらしく読めてしまうところです。維持保全の条文は、建築物の所有者、管理者又は占有者を主語にしています。

立場 やること 条文
所有者・管理者・占有者 常時適法な状態に維持するよう努める 第8条第1項(維持保全)
建築主事 確認申請を審査し、確認済証を交付する 第6条
特定行政庁 違反建築物に是正を命じる 第9条

建物は建てた時点で終わりではなく、使い続けるあいだ適法でなければなりません。設備の劣化や用途の変更で、途中から法に合わなくなることがあります。

その状態を毎日見られるのは持っている人と使っている人だけです。役所が全部の建物を見て回るのは無理なので、義務を負う相手をそこに置いています。

選択肢4を正しいものとして読んでしまうと、建物の維持は役所の仕事だという理解になります。実際は逆で、役所は違反が見つかったときに是正を命じる側です。

なお第8条第2項では、特殊建築物などの所有者・管理者に維持保全に関する準則または計画の作成を求めています。努力義務ではなく、必要に応じて講じなければならない措置です。

選択肢2の特殊建築物は、学校・病院・劇場・百貨店・共同住宅などと並べて工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場が列挙されています。人が多く集まる建物だけではありません。

選択肢3の耐火性能は、耐火構造の定義の中にかっこ書きで入っているものです。倒壊と延焼の両方を防ぐ点が、延焼だけを抑える準耐火性能との違いになります。

覚え方

  • 維持保全の主語は所有者・管理者・占有者。建築主事でも特定行政庁でもない
  • 役所は確認する側と是正を命じる側で、日々の維持はしない
  • 耐火性能は倒壊と延焼の両方を防ぐ。準耐火性能は延焼を抑える

理解度チェック

Q.

建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めるのは誰か。

その建築物の所有者、管理者又は占有者です。建築主事ではありません。

Q.

耐火性能と準耐火性能は何が違うか。

耐火性能は通常の火災が終了するまでの間、倒壊と延焼の両方を防止する性能です。準耐火性能は通常の火災による延焼を抑制する性能です。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題(午後の部)」「同 正答肢」
  • 建築基準法 第2条第1号・第2号・第7号、第6条、第8条第1項・第2項、第9条
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