令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.76は、バスダクト工事による低圧屋内配線に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、バスダクトを施設できる場所を分かっているかを問うものです。乾燥した展開した場所か、乾燥した点検できる隠ぺい場所に限られます。
湿気の多い場所には施設できません。
正解:選択肢3(湿気の多い展開した場所に施設した)
> この論点をやさしく解説:バスダクト工事とは?施設できる場所と支持点間の距離の基準を整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 水平に取り付ける支持間隔を3m | 3m以下が基準。適当 |
| 2 | EPS内に垂直に取り付ける支持間隔を6m | 垂直なら6m以下。適当 |
| 3 | 湿気の多い展開した場所に施設 | 乾燥した場所に限る。不適当 |
| 4 | さくを設けたのでD種接地工事 | 300V超でも緩和される。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、屋外用という言葉が付いているので、外でも使えるなら湿気にも耐えるはずだと読めてしまうところです。屋外用かどうかと、施設してよい場所の区分は別に定められています。
| 場所 | バスダクト工事 | 備考 |
|---|---|---|
| 乾燥した展開した場所 | できる | 使用電圧に関係なく施設できる |
| 乾燥した点検できる隠ぺい場所 | できる | EPS内など |
| 湿気の多い場所 | できない | 屋外用でも同じ |
| 点検できない隠ぺい場所 | できない | 異常があっても見つけられない |
バスダクトは、金属のケースの中に導体をむき出しで並べた構造です。ケーブルのように導体1本ずつが絶縁体で包まれているわけではありません。
湿気が入ると、導体どうしの間や大地との間で絶縁が下がります。だから水気や湿気のある場所は避けます。
この論点は令和8年度 1級 No.72で確定しています。そちらの選択肢4は「使用電圧400Vのバスダクトを湿気の多い展開した場所に施設した」で、公表正答も4でした。
令和5年度の選択肢3とほぼ同じ文が、別の年度でも同じく誤りと判定されています。
選択肢1と2は、支持間隔の基準です。
| 取付けの向き | 支持間隔 | 条件 |
|---|---|---|
| 水平 | 3m以下 | 自重でたわむのを防ぐ |
| 垂直 | 6m以下 | 取扱者以外が出入りできない場所で、垂直に取り付ける場合 |
垂直に取り付ける場合は自重が長さ方向にかかるだけでたわみません。だから間隔を広く取れます。電気シャフト内は取扱者以外が入らないので、この条件に当てはまります。
選択肢4の接地工事は、使用電圧400Vなら本来C種です。ただし条件を満たせばD種に緩められます。
| 条件 | 接地工事 |
|---|---|
| 300V超(原則) | C種接地工事 |
| 人が触れないようさく等を設けた | D種接地工事に緩和できる |
接地の目的は人が触れたときの感電を防ぐことです。そもそも触れられない構造にしてあるなら、要求を下げられるという考え方です。
バスダクト工事を施設できる場所は。
乾燥した展開した場所と、乾燥した点検できる隠ぺい場所です。湿気の多い場所は屋外用でも施設できません。
垂直に取り付けるバスダクトの支持間隔を6mまで広げられるのはなぜか。
自重が長さ方向にかかるだけでたわまないためです。取扱者以外が出入りできない場所という条件も付きます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月