令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.55は、鉄骨工事に用いる鋼材の部材名称として、最も不適当なものを選ぶ問題です。図の1〜4の位置に付けられた名前が正しいかを見ます。
この問題は、板が何のために付いているかで名前が決まることを分かっているかを問うものです。ウェブに縦に付けて補強する板はスチフナです。
スプライスプレートは継手をつなぐ板で、役目が違います。
正解:選択肢3(スプライスプレート)
| 番号 | 位置 | 正しい名称 |
|---|---|---|
| 1 | 上下の水平な板 | フランジプレート。適当 |
| 2 | 上下フランジをつなぐ縦の板 | ウェブプレート。適当 |
| 3 | ウェブに直角に立てた板 | スチフナ。不適当 |
| 4 | 梁を取り付けるための板 | ガセットプレート。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、スプライスプレートもスチフナも「ウェブに当てる板」という見た目が似ているところです。分かれ目は切れているものをつなぐのか、切れていないものを補強するのかです。
| 部材 | 付ける向き | 役目 |
|---|---|---|
| スチフナ | ウェブに直角 | 薄いウェブが座屈するのを防ぐ補剛材 |
| スプライスプレート | 部材と平行 | 切れた部材どうしを両側から挟んでつなぐ添え板 |
| ガセットプレート | 柱や梁に溶接 | 別の部材を取り付けるための受け板 |
スチフナは、1枚のウェブを補強するために立てる板です。ウェブは薄いので、大きな力がかかると波打つように座屈します。縦に板を入れると、その面で押さえられます。
とくに柱と梁の仕口では、梁のフランジからの力がウェブに集中するので、その位置に合わせてスチフナを入れます。柱の中に入れるものはダイアフラムと呼びます。
スプライスプレートは、部材を継ぐときの板です。
| 場面 | 使い方 |
|---|---|
| 梁を現場で継ぐ | 継ぎ目の両側に添え板を当て、高力ボルトで締める |
| 運搬の都合 | 長い部材は運べないので分けて運び、現場で継ぐ |
つまりスプライスプレートが出てくるのは、部材がそこで一度切れている場所です。図の3は1本のウェブの途中なので、継手ではありません。
選択肢1のフランジプレートは、H形の上下にある水平な板です。曲げに対して主に働く部分で、上下に離れているほど曲げに強くなります。
選択肢2のウェブプレートは、上下のフランジをつなぐ縦の板です。せん断力を受け持ちます。曲げにはあまり効かないので、薄くして材料を節約します。その薄さが座屈の心配につながり、スチフナが要る理由になります。
| 部位 | 主に受け持つ力 | 板厚 |
|---|---|---|
| フランジ | 曲げ | 厚い |
| ウェブ | せん断 | 薄い |
選択肢4のガセットプレートは、別の部材を取り付けるために先に付けておく板です。図では直交する梁を受けるために、あらかじめ溶接されています。ブレースの取付けにも使われます。
スチフナは何のために付けるか。
薄いウェブが座屈するのを防ぐためです。ウェブに直角に立てて面で押さえます。
スプライスプレートはどんな場所に使われるか。
部材を継ぐ場所です。継ぎ目の両側に添え板を当て、高力ボルトで締めてつなぎます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月