令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.49は、高置タンク方式による給水設備の運転制御に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、揚水ポンプがどちらのタンクから水を吸うかを分かっているかを問うものです。吸うのは受水タンクなので、空転を防ぐのは受水タンクの減水信号です。
高置タンクの減水は、ポンプを動かす合図です。
正解:選択肢3(高置タンクの減水警報で空転防止)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 両タンクに満水警報と減水警報 | 水位を検出して知らせる。適当 |
| 2 | 高置タンクの発停信号で2台を自動交互運転 | 偏りなく使う。適当 |
| 3 | 高置タンクの減水警報で空転防止 | 受水タンクの信号で行う。不適当 |
| 4 | 受水タンクは定水位調整弁で給水 | パイロット電磁弁で開閉。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、減水警報も空転防止もどちらも実在する機能なので、つなげると自然に読めてしまうところです。見るべきはポンプの吸込み側がどちらかです。
高置タンク方式の水の流れは次のとおりです。
| 順番 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 水道本管 | 定水位調整弁を通って受水タンクへ |
| 2 | 受水タンク(地上・地下) | 揚水ポンプが吸い込む側 |
| 3 | 揚水ポンプ | くみ上げる |
| 4 | 高置タンク(屋上) | ポンプが吐き出す側 |
| 5 | 各階 | 重力で落ちて給水される |
空転とは、吸い込む水がないのにポンプが回り続けることです。水がないと羽根車が冷やされず、軸封部が焼き付いて壊れます。
だから空転を防ぐには、吸込み側である受水タンクの水位を見る必要があります。受水タンクが減水したらポンプを止めます。
高置タンクの水位は、逆の使い方をします。
| タンク | 水位が下がったら | 理由 |
|---|---|---|
| 受水タンク | ポンプを止める | 吸う水がないので空転する |
| 高置タンク | ポンプを動かす | 補充が必要になったということ |
同じ「水位が下がった」でも、下のタンクなら止める合図、上のタンクなら動かす合図です。向きが逆になります。
選択肢2の発停信号は、この高置タンク側の水位から出ます。水位が下限まで下がったら起動し、上限まで戻ったら停止します。
自動交互運転は、2台のポンプを1回ごとに入れ替えて使う制御です。
| ねらい | 内容 |
|---|---|
| 運転時間の均一化 | 片方だけが傷むのを防ぐ |
| 故障時の継続 | 1台が故障しても、もう1台で給水を続けられる |
| 長期停止の防止 | 使わないまま置くと固着するのを避ける |
選択肢4の定水位調整弁は、受水タンクへ水道本管から水を入れる弁です。大きな弁を直接動かすのは難しいので、小さなパイロット電磁弁で圧力を操作して開閉させます。
ボールタップと同じ役目ですが、電気信号で制御できるので水位の管理が確実になります。
揚水ポンプの空転防止に受水タンクの信号を使うのはなぜか。
ポンプが水を吸い込むのが受水タンクだからです。そこが減水したまま回すと羽根車が冷やされず焼き付きます。
高置タンクの水位が下がったら、揚水ポンプはどうなるか。
起動します。高置タンクはポンプの吐出し側なので、水位の低下は補充が必要になった合図です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月