令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.48は、空気調和設備の熱負荷計算に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、地中の温度が季節でどれだけ動くかを分かっているかを問うものです。地中は年間を通じてほぼ一定なので、夏に室内へ熱を入れてきません。
だから冷房負荷には含めません。
正解:選択肢4(土壌に接する壁を冷房負荷に含める)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 人体・照明・機器発熱は冷房負荷に含める | 室内で熱を出す。適当 |
| 2 | 正圧ならすきま風を暖房負荷に含めない | 外へ押し出す。適当 |
| 3 | ガラス窓の日射は暖房負荷に含めない | 安全側にみる。適当 |
| 4 | 土壌に接する壁を冷房負荷に含める | 含めない。不適当 |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、壁からの熱の出入りは当然あるはずだと考えてしまうところです。ここで問われているのは冷房のときに室内へ入ってくる向きになるかです。
地中の温度は、深くなるほど1年を通して変わりません。地表から数m下では、その土地の年平均気温に近い値でほぼ一定です。
| 季節 | 室温と地中温度 | 熱の向きと扱い |
|---|---|---|
| 夏(冷房) | 地中のほうが低いか同程度 | 熱は入ってこない。冷房負荷に含めない |
| 冬(暖房) | 室内のほうが高い | 熱が逃げていく。暖房負荷に含める |
冷房負荷は室内から取り除かなければならない熱です。地中から熱が入ってこないなら、取り除く分もありません。
暖房負荷は逆に室内へ補わなければならない熱です。冬は地中のほうが冷たいので熱が逃げ、その分を補う必要があります。
選択肢1の内部発熱は、冷房のときだけ数えます。
| 負荷 | 冷房負荷 | 暖房負荷 |
|---|---|---|
| 人体・照明・機器の発熱 | 含める | 含めない(あてにしない) |
| ガラス窓の日射 | 含める | 含めない |
| 土壌に接する壁 | 含めない | 含める |
人がいれば体温で室内が暖まり、照明やパソコンも熱を出します。夏はこれが取り除くべき熱として加わります。
選択肢3の日射も同じ考え方です。冬に日が差せば室内は暖まりますが、曇りの日や夜には期待できません。あてにして機器を小さく選ぶと、日の差さない日に暖まらなくなります。
だから暖房負荷では、日射も内部発熱も無いものとして計算します。いちばん条件の悪いときに合わせる考え方です。
選択肢2のすきま風は、室内の圧力で決まります。
| 室内の圧力 | 空気の向き | すきま風負荷 |
|---|---|---|
| 正圧 | 室内から外へ | 外気が入らないので含めないことが多い |
| 負圧 | 外から室内へ | 冷たい外気が入るので含める |
給気を排気より多くすれば室内が正圧になり、すきまからは空気が出ていく側になります。外気が入ってこないので、その分の負荷を見込まずに済みます。
土壌に接している壁の熱を冷房負荷に含めないのはなぜか。
地中の温度は年間を通じてほぼ一定で、夏は室温より低いか同程度になるためです。室内へ入ってくる熱がないので取り除く分もありません。
暖房負荷でガラス窓の日射を含めないのはなぜか。
曇りの日や夜には期待できないためです。あてにすると日の差さない日に暖まらなくなるので、無いものとして計算します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月