令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.40は、非常用の照明装置(照明設備)に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、地下街の地下道だけ照度の値が別だと分かっているかを問うものです。一般の居室は1lx以上ですが、地下道は10lx以上です。
5lxという値はありません。
正解:選択肢1(地下道で5lx以上)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 地下道の床面で5lx以上 | 10lx以上。誤り |
| 2 | 照明器具の主要部分は難燃材料 | カバーも含む。正しい |
| 3 | 配線は600V二種ビニル絶縁電線以上 | 耐熱性が要る。正しい |
| 4 | LEDランプは2lx以上 | 白熱灯の2倍。正しい |
誤っているのは選択肢1です。
引っかけの核心は、1lx・2lx・10lxと3つの値が出てくるので、その中間の5lxを置かれると本当にありそうに見えるところです。
| 場所と光源 | 水平面照度 | 根拠 |
|---|---|---|
| 居室など(白熱灯) | 1lx以上 | 建築基準法施行令 第126条の5 |
| 居室など(蛍光灯・LED) | 2lx以上 | 同上 |
| 地下街の各構えに接する地下道 | 10lx以上 | 同令 第128条の3 |
地下道の値が高いのは、窓がなく外の光がまったく入らないからです。地上の居室なら非常時でも多少の明るさが残りますが、地下道は照明が消えれば真っ暗になります。
避難する人が長い通路を進むので、床の段差や方向が見える明るさが要ります。
この2つの値は過去問で確定しています。
| 出題 | 書かれた値 | 公表正答から分かること |
|---|---|---|
| 平成26年度 1級 No.41 | 5lx以上 | 正答は2。この肢が誤り |
| 平成29年度 1級 No.41 | 10lx以上 | 正答は1。この肢は正しい |
| 令和7年度 1級 No.37 | 10lx以上 | 正答は2。この肢は正しい |
平成26年度の選択肢2はこの令和5年度の選択肢1と同じ5lxで、そちらでも公表正答でした。同じ壊し方が2回出ています。
選択肢4のLEDが2lxである点も、令和7年度 1級 No.37で確かめられます。そちらは「LEDランプを用いる場合は…1lx以上」と書いて公表正答になりました。1lxは白熱灯の値です。
LEDと蛍光灯が2倍必要なのは、同じ照度でも見え方が違うためです。演色性や光の分布の違いから、余裕をみた値が定められています。
選択肢2の難燃材料は、火災のときに照明器具自体が燃え広がる原因にならないための決まりです。照明カバーなど付属するものも含みます。
選択肢3の配線は、火災の熱で断線しないための決まりです。
| 電線 | 使えるか |
|---|---|
| 600Vビニル絶縁電線(IV) | 使えない。耐熱性が足りない |
| 600V二種ビニル絶縁電線(HIV) | 使える。これが最低の条件 |
非常用の照明は火災が起きている最中に働かなければならないので、普通の電線では足りません。二種は耐熱ビニルを使ったもので、許容温度が高くなっています。
地下街の各構えに接する地下道の床面で確保する照度はいくつか。
水平面照度で10lx以上です。居室などの1lx(LEDや蛍光灯は2lx)とは別の値です。
非常用の照明装置の配線に600Vビニル絶縁電線が使えないのはなぜか。
火災の最中に働く必要があり、熱で断線しない耐熱性が求められるためです。600V二種ビニル絶縁電線以上を使います。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月