令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.39は、自動火災報知設備に関する記述として、「消防法」上、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、2つの階を1つの警戒区域にできる条件を分かっているかを問うものです。2つの階の床面積の合計が500m²以下のときだけです。
500m²ずつなら合計1,000m²なので、まとめられません。
正解:選択肢3(3階と4階を合わせて一の警戒区域)
> この論点をやさしく解説:警戒区域とは?面積・一辺の長さ・階をまたぐ条件の違いを整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 600m²・一辺100mの工場に光電式分離型 | 分離型なら一辺100mまで。適当 |
| 2 | 600m²・一辺50mの事務室 | 600m²以下かつ50m以下。適当 |
| 3 | 3階と4階(各500m²)を合わせて一 | 合計1,000m²。不適当 |
| 4 | 見通せる体育館で1,000m² | 見通せれば1,000m²まで。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、500m²という数字が「1警戒区域は600m²以下」という原則より小さいので、余裕があるように見えるところです。問われているのは面積ではなく階をまたいでよいかです。
警戒区域の原則は次のとおりです。
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 階をまたがない | 2以上の階にわたらないこと |
| 面積 | 600m²以下 |
| 一辺の長さ | 50m以下 |
階をまたがないのは、警報が鳴ったときにどの階かをすぐ特定するためです。まとめてしまうと、上の階か下の階かが分からず、探す時間が増えます。
この原則には例外が2つあります。
| 例外 | 条件 |
|---|---|
| 2つの階をまとめる | 2つの階の床面積の合計が500m²以下であること |
| たて穴区画 | 階段・傾斜路・エレベーター昇降路など |
この問題は500m²ずつなので、合計は1,000m²です。例外の500m²を超えているので、階ごとに分けなければなりません。
階をまたがない原則は、令和4年度 1級 No.88でも確かめられます。そちらの選択肢2は「自動火災報知設備の警戒区域は、省令で定める場合を除き、防火対象物の二以上の階にわたらないものとする」で、公表正答は4(別の肢)でした。
選択肢1と2は、面積と一辺の長さの条件です。
| 条件 | 一辺の長さ | 面積 |
|---|---|---|
| 原則 | 50m以下 | 600m²以下 |
| 光電式分離型を設置 | 100m以下 | 600m²以下 |
| 主要な出入口から内部を見通せる | 50m以下 | 1,000m²以下 |
光電式分離型感知器は、送光部と受光部を離して置き、その間を横切る煙で光がさえぎられるのを見ます。長い距離を1組で見張れるので、一辺100mまで認められます。
選択肢4は、見通せる場合の例外です。体育館やアトリウムのように入口に立てば中が全部見える空間なら、警報が鳴った場所をすぐ特定できるので1,000m²まで1区域にできます。
2つの階を1つの警戒区域にできるのはどんなときか。
2つの階の床面積の合計が500m²以下のときです。各階500m²なら合計1,000m²になるのでできません。
光電式分離型感知器を設けると一辺の長さを100mまで伸ばせるのはなぜか。
送光部と受光部を離して置き、その間を横切る煙を検出する方式で、長い距離を1組で見張れるためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月