令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.4は、指示電気計器の動作原理に関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、誘導形計器が何で動くかを分かっているかを問うものです。誘導形は交番磁界と、そこに生じる渦電流の作用で動きます。
静電力で動くのは静電形計器です。
正解:選択肢2(誘導形計器は静電力の作用で動作する)
> この論点をやさしく解説:誘導形計器と静電形計器は何が違うのか?指示電気計器の動作原理をJISの定義で分ける
| 選択肢 | 計器 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 熱電対形 | 熱電対の起電力を使う。適当 |
| 2 | 誘導形 | 静電力は静電形の説明。不適当 |
| 3 | 永久磁石可動コイル形 | 磁界どうしの作用。適当 |
| 4 | 電流力計形 | コイルどうしの作用。適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、「固定電極と可動電極」という言葉が計器の説明として自然に読めるところです。電極という言い方をした時点でコンデンサの極板の話になっていて、それは静電形です。
| 計器 | 動作の原理 | 使う電流 |
|---|---|---|
| 誘導形 | 交番磁界と渦電流 | 交流のみ。電力量計に使われた |
| 静電形 | 電極間の静電力 | 交流・直流。高電圧の測定向き |
| 永久磁石可動コイル形 | 永久磁石とコイル電流 | 直流のみ |
| 電流力計形 | 固定コイルと可動コイル | 交流・直流。電力計に使う |
| 熱電対形 | 熱で生じる起電力 | 交流・直流。高周波も測れる |
誘導形は、交流でつくった移動磁界が円板に渦電流を起こし、その渦電流と磁界の間にはたらく力で円板が回る仕組みです。だから交流でしか動きません。昔の電力量計で円板が回っていたのがこれです。
選択肢3の永久磁石可動コイル形は、磁石の磁界と、コイルに流れた電流がつくる磁界の間にはたらく力で動きます。電流の向きが変わると振れる向きも変わるので、交流では平均がゼロになり測れません。直流専用です。
選択肢4の電流力計形は、永久磁石の代わりに固定コイルを使ったものです。両方のコイルに同じ交流を流すと、向きが同時に変わるので力の向きは変わりません。だから交流でも直流でも使えます。片方に電圧、片方に電流を流せば電力が測れるので、電力計に使われます。
選択肢1の熱電対形は、測定電流で抵抗線を熱し、その熱を熱電対で起電力に変えて測ります。電流の向きに関係なく熱くなるので交流でも直流でも測れ、周波数の影響も受けにくいので高周波の測定に向きます。
誘導形計器は何で動作するか。
交番磁界と、それによって円板に生じる渦電流の作用です。静電力で動くのは静電形計器です。
電流力計形計器が交流でも使えるのはなぜか。
固定コイルと可動コイルの電流が同時に向きを変えるので、力の向きが変わらないためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月