令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.27は、配電系統における高調波に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、直列リアクトルを入れる目的の向きを分かっているかを問うものです。共振しないようにするために入れます。
共振させたら高調波が増えてしまいます。
正解:選択肢3(共振するように直列リアクトルを設置するとした記述)
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| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | インバータ等が高調波の発生源 | 適当。電流を切り刻むため |
| 2 | 鉄心を有する機器の損失が増大 | 適当。周波数が高いほど鉄損が増える |
| 3 | 共振するように直列リアクトルを設置 | 不適当。共振しないように設置する |
| 4 | 短絡容量の大きな系統から受電 | 適当。系統インピーダンスが小さく電圧ひずみが小さい |
最も不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、コンデンサと直列リアクトルを組み合わせること自体は正しい対策なので、目的の向きだけがすり替わっている点が見えにくいところです。入れる理由は共振を避けるためです。
電力用コンデンサだけを系統につなぐと、系統のインダクタンスとコンデンサの容量で共振回路ができます。その共振周波数が第5調波などと一致すると、高調波電流がコンデンサへ集中的に流れ込みます。
直列リアクトルを入れると
コンデンサ回路が全体として誘導性になり、高調波電流が流れ込みにくくなる。
第5調波に対して誘導性にするには、リアクトルの容量が
コンデンサ容量の 4%を超える ことが必要(実用上は6%が標準)。
6%が標準として使われるのは、電圧変動や周波数の変動があっても余裕をもって誘導性を保てるためです。これが逆に共振点に合わせてしまうと、コンデンサが高調波を吸い寄せる装置になります。
直列リアクトルにはもう1つ役目があります。コンデンサを投入した瞬間に流れる突入電流を抑えることです。
選択肢1のインバータは、直流を細かく切り刻んで交流を作るので、電流の波形が正弦波から離れます。ひずんだ波形は基本波と高調波の合成として表せます。
選択肢2の鉄心を持つ機器では、周波数が高いほど渦電流損とヒステリシス損が増えます。変圧器がうなったり、温度が上がったりする原因になります。
選択肢4の短絡容量が大きい系統とは、電源側のインピーダンスが小さい系統です。同じ高調波電流が流れても、インピーダンスが小さければ電圧のひずみは小さくなります。
電力用コンデンサに直列リアクトルを入れる目的は。
コンデンサ回路を誘導性にして、系統のインダクタンスとの共振を避けるためです。高調波電流の流れ込みと突入電流を抑えます。
短絡容量の大きな系統から受電すると、なぜ高調波障害が小さくなるか。
電源側のインピーダンスが小さいためです。同じ高調波電流が流れても、生じる電圧ひずみが小さくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月