令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.26は、地中電線路におけるCVケーブルの絶縁劣化診断法として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、劣化すると値が動く量はどれかを分かっているかを問うものです。劣化を見るのは、漏れ電流や誘電体の損失です。
静電容量はほとんど動きません。
正解:選択肢1(静電容量法)
| 選択肢 | 方法 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 静電容量法 | 不適当。劣化しても静電容量はほぼ変わらない |
| 2 | 直流高圧法 | 適当。直流高電圧をかけて絶縁抵抗を見る |
| 3 | 誘電正接法 | 適当。絶縁体の損失の大きさを見る |
| 4 | 直流漏れ電流法 | 適当。流れる漏れ電流の大きさと変化を見る |
最も不適当なのは選択肢1です。
引っかけの核心は、静電容量がケーブルの基本的な特性なので、測れば何か分かりそうに見えるところです。静電容量は導体の太さと絶縁体の厚さと材質で決まるもので、劣化してもほとんど変わりません。
絶縁劣化で動くのは、絶縁体を通って流れてしまう電流の側です。水トリーやボイドができると、そこを電流が通り抜けやすくなります。
| 診断法 | 何を見るか |
|---|---|
| 直流漏れ電流法 | 直流電圧をかけて流れる漏れ電流の大きさ、時間変化、三相の不平衡 |
| 誘電正接法 | 交流をかけたときの損失分の割合。劣化すると大きくなる |
| 直流高圧法 | 直流高電圧を印加したときの絶縁抵抗 |
| 残留電荷法 | 直流を印加して放電したあとに残る電荷。水トリーの検出に使う |
| 部分放電測定 | 絶縁体内部のすきまで起きる微小な放電 |
この問題は診断法でないものを1つ混ぜる形で繰り返し出ています。混ぜられるものは年度ごとに変わります。
| 出題 | 公表正答 | 混ぜられていたもの |
|---|---|---|
| 平成25年度 1級 No.26 | 1 | パルス法(故障点を探す方法) |
| 平成29年度 1級 No.27 | 4 | マーレーループ法(故障点を探す方法) |
| 令和5年度 2級 No.19 | 3 | 接地抵抗測定 |
| 令和4年度 1級 No.26 | 1 | 静電容量法 |
4年度を並べると、混ぜられるのは故障点を探す方法か、まったく別の測定だと分かります。パルス法とマーレーループ法は事故が起きたあとに場所を突き止める方法で、劣化の程度を見るものではありません。
診断法として定着しているのは、直流漏れ電流法・誘電正接法・直流高圧法・残留電荷法・部分放電測定・直流分法です。この並びを覚えておけば、外れているものが浮きます。
静電容量が絶縁劣化診断に使えないのはなぜか。
静電容量は導体の太さと絶縁体の厚さ・材質で決まり、劣化してもほとんど変わらないためです。
マーレーループ法は何のための方法か。
ケーブルの故障点の位置を突き止める方法です。劣化の程度を見る診断法ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月