令和3年度 地質調査技士 土壌・地下水汚染部門 No.28を解説、PCBの特徴
令和3年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 No.28は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)の特徴に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
PCBは、かつて絶縁油や熱媒体に使われた化学物質で、分解しにくく環境に残りやすいことが問題になりました。用途・化学的性質・物理的性質・異性体の数が問われます。
引っかけの核心は、PCBの異性体の数です。PCBは塩素の数や位置によって多数(209種類)の異性体があるのに、選択肢1は「3種類の異性体」としています。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 塩素の数等により3種類の異性体が存在する | ×(誤り) 正答。多数(209種類)の異性体 |
| 2 | 熱媒体や電気機器の絶縁油など様々な用途で利用されてきた | ○ |
| 3 | 熱で分解しにくく、不燃性や電気絶縁性が高いなど化学的に安定 | ○ |
| 4 | 水にきわめて溶けにくく、沸点が高い油状の物質 | ○ |
選択肢2・3・4は、PCBの性質を正しく述べています。選択肢1だけが、異性体の数を誤っています。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
PCBは、ビフェニルという物質の水素が塩素に置き換わった化合物の総称です。置き換わる塩素の数(1〜10個)と位置の組み合わせで、209種類もの異性体が存在します。
選択肢1は「3種類の異性体」としていますが、実際は多数(209種類)です。
塩素の付き方でこれだけ多くの種類ができるのがPCBの特徴で、「3種類」は誤りです。
用途(選択肢2)、化学的な安定性(選択肢3)、油状で水に溶けにくい性質(選択肢4)は、いずれも正しい記述です。
選択肢1は、PCBの特徴として最も不適当です。PCBは塩素の数と位置で多数(209種類)の異性体がある(3種類ではない)と押さえます。
覚え方
- PCBは塩素の数と位置で多数(209種類)の異性体。分解しにくく絶縁油などに使われた
- 化学的に安定・不燃性・電気絶縁性が高い・水に溶けにくい油状物質
- 「3種類の異性体」は数を大きく誤った引っかけ
理解度チェック
問題:PCBは、塩素の数等により3種類の異性体が存在する。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
PCBは塩素の数と位置により多数(209種類)の異性体があります。3種類ではありません。
問題:PCBは、熱で分解しにくく、不燃性や電気絶縁性が高いなど化学的に安定な性質をもつ。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
この安定性のために絶縁油などに使われ、分解しにくく環境に残りやすいことが問題になりました(選択肢3は正しい)。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和3年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 試験問題」
- 東京都環境局ほか(PCBは置き換わった塩素の数や位置により209種類の異性体があり、これらを総称してPCBという)
※ PCBの詳細は、最新の環境省・自治体の一次資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月