平成30年度 地質調査技士 土壌・地下水汚染部門 No.25を解説、テトラクロロエチレンの分解過程
平成30年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 No.25は、テトラクロロエチレンの分解過程に関する問題です。この問題では、分解過程の図の空欄A〜Dに当てはまる物質名の組合せのうち、最も適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
塩素を含む第一種VOCは、地下の酸素が少ない環境で微生物のはたらきにより、塩素が1個ずつ外れて段階的に分解します。
テトラクロロエチレンは、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、クロロエチレンの順に分解し、最後はエチレンや二酸化炭素まで無害化されます。
引っかけの核心は1点、この系列に別の物質を混ぜていないかです。1,1,1-トリクロロエタンや1,3-ジクロロプロペンは、この系列とは別の物質です。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も適当な組合せ)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 組合せの特徴 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | Dに1,3-ジクロロプロペン(別系列の物質)を置く | ×(誤り) |
| 2 | A=トリクロロエチレン/C=クロロエチレン/D=二酸化炭素 | ○(正答) |
| 3 | Aに1,1,1-トリクロロエタン、Dにエタノールを置く | ×(誤り) |
| 4 | Aに1,1,1-トリクロロエタン(別系列の物質)を置く | ×(誤り) |
選択肢1・3・4は、テトラクロロエチレンの系列に入らない物質を含んでいます。選択肢2が、分解の順序として正しい組合せです。
選択肢2のポイント(ここが正しい)
テトラクロロエチレンの分解は、塩素が1個ずつ外れる順に進みます。
A=トリクロロエチレン、C=クロロエチレンです。
Aのトリクロロエチレンは、さらにジクロロエチレン(シス-1,2体・1,1体・トランス-1,2体)へ分解します。図のBはこのうちの1,1-ジクロロエチレンです。
そのあとCのクロロエチレン(塩化ビニル)になり、Dで二酸化炭素まで無害化されます。
ほかの選択肢が誤りの理由も押さえます。
1,1,1-トリクロロエタンや1,3-ジクロロプロペンは、テトラクロロエチレンの分解系列とは別の物質です。
選択肢1はDに1,3-ジクロロプロペン、選択肢3・4はAに1,1,1-トリクロロエタンを置いており、系列に入らない物質を混ぜた誤りの組合せです。
覚え方
- テトラ→トリ→ジ→クロロエチレン(塩化ビニル)→エチレン、塩素が1個ずつ外れる
- クロロエチレンは塩化ビニルと同じ物質
- 1,1,1-トリクロロエタン・1,3-ジクロロプロペンは別系列=混ぜたら誤り
理解度チェック
問題:テトラクロロエチレンは、地下で微生物によりトリクロロエチレン、ジクロロエチレン、クロロエチレンの順に分解する。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
塩素が1個ずつ外れて、テトラ→トリ→ジ→クロロエチレン(塩化ビニル)→エチレンと分解します。
問題:1,3-ジクロロプロペンは、テトラクロロエチレンの分解生成物である。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
1,3-ジクロロプロペンは、テトラクロロエチレンの分解系列とは別の物質です。系列はジクロロエチレンからクロロエチレンへ進みます。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「平成30年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 試験問題」
- 塩素化エチレン類の還元的脱塩素化(テトラクロロエチレン→トリクロロエチレン→ジクロロエチレン→クロロエチレン→エチレン)に関する環境省資料・専門資料
※ 物質名・分解系列は、最新の資料・環境省の告示で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月