観測井(モニタリング井戸)とは?スクリーンの位置とパージ
ちしつモグラ
観測井の水って、そのまま汲めばいいんじゃないの?スクリーンってどこのこと?
この記事の要点
- 観測井は、地下水の水位や水質を継続して調べるために設ける井戸。
- スクリーンは、地下水を井戸へ取り込む穴あきの区間。汚染を調べたい帯水層に合わせて入れる。
- 試料は、帯水層まで挿入したスクリーンから採取するのが基本。採取位置を井戸の底の方に決め打ちしない。
観測井とは、地下水の水位や水質を継続して調べるために設ける井戸です。
モニタリング井戸とも呼びます。
土壌汚染では、汚染が地下水に乗って敷地の外へ広がっていないかを、この井戸で確かめます。
スクリーンは地下水の入口
観測井の管は、全長が穴だらけなわけではありません。
地下水を取り込む区間だけに穴やスリットを設けます。
この区間をスクリーン(ストレーナー)といいます。
スクリーンをどの深さに置くかで、その井戸がどの地層の水を見ているかが決まります。
環境省の地下水質モニタリングの手引きは、汚染帯水層が判明している場合は、汚染帯水層にストレーナーがある井戸を調査するとしています。
調べたい帯水層に合わせてスクリーンを入れる、という考え方です。
パージは井戸に溜まった水を捨てる作業
井戸の中の水は、しばらく汲まないと管の中に留まったままになります。
留まった水は、空気に触れて水質が変わったり、井戸の底に沈殿物が溜まったりします。
そのまま汲むと、地層を流れている地下水ではなく、管の中で変質した水を測ってしまいます。
そこで、採水の前に井戸の水を排出します。
これがパージです。
パージで水位が下がったときは、自然水位まで回復してから採水します。
回復を待たずに汲むと、周りから急に引き込まれた水が混ざるためです。
排出したパージ水は汚染されている可能性があるため、専門の処理業者に委託します。
採取する深さの決め方
環境省の土壌汚染対策法のガイドラインは、ボーリングにおける地下水試料の採取について、帯水層まで挿入したスクリーンから採取することを基本としています。
基準が示すのはスクリーンから採るという考え方で、井戸の底に近い一点を指定するものではありません。
スクリーンの下端部は、沈殿物や滞留水の影響を受けやすい位置です。
あわせて整理:観測井 と 揚水試験の井戸
観測井は汚染や水位を見張るための井戸です。揚水試験で使う井戸は透水係数や貯留係数を求めるために水を汲み上げます。同じ井戸の形でも、目的が違います。
過去問での問われ方:採取位置の決め打ち
地下水試料の採取は土壌・地下水汚染部門で出ます(令和元年度 No.67)。
引っかけは、採取する深さを固定してしまうものです。
「試料採取深さはスクリーンの下端部で行った」とするのは誤りです。
基準は帯水層まで挿入したスクリーンから採ることを基本としており、下端部に限る根拠はありません。
同じ設問で、パージを行うこと、自然水位まで回復してから採水すること、パージ水を専門処理業者に委託することは、いずれも適切な扱いとされています。
理解度チェック
問題:地下水の試料採取深さは、スクリーンの下端部で行う。
〇か×か。
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答え:×
環境省のガイドラインは、帯水層まで挿入したスクリーンから採取することを基本としています。下端部に限る決まりはありません。
問題:パージにともない水位が低下したときは、自然水位まで回復したのち採水する。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
回復を待たずに汲むと、周りから急に引き込まれた水が混ざります。
問題:スクリーンは、観測井の管の全長にわたって設ける。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
地下水を取り込む区間だけに設けます。調べたい帯水層に合わせて位置を決めます。
スクリーンは調べたい帯水層に合わせて入れ、試料はそのスクリーンから採る。パージは滞留水を捨てる作業。
出典・参考資料
- 環境省「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン」第2章(地下水試料の採取は、帯水層まで挿入したスクリーンから採取することを基本とする)。
- 環境省「地下水質モニタリングの手引き」平成20年8月(汚染帯水層が判明している場合は、汚染帯水層にストレーナーがある井戸を調査する)。
- 全地連 地質調査技士資格検定試験 令和元年度 土壌・地下水汚染部門 No.67。出題番号・正答は全地連が公開する資料で確認しています。
※ パージで排出する量の目安は、井戸の構造や地盤によって扱いが異なります。実務では発注者の仕様書と最新のガイドラインで確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月