ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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明り掘削の安全とは?砂の地山は35度以下、掘削面2m以上で作業主任者を選任

けんせつる

けんせつる

砂の地山って、何度まで掘っていいの?

掘削面の勾配って、地山で変わるの?

この記事の要点

明り掘削は、地表を開いて行う掘削です。手掘りの掘削面の勾配は、地山の種類と掘削面の高さで決まります。

砂からなる地山は35度以下。地山の点検やガス導管への対応も、過去問での問われ方とあわせて押さえます。

明り掘削は、トンネルのような地下でなく、地表を開いて掘る掘削です。開いた面がそのまま崩れる側になるため、掘る角度そのものが安全の要になります。掘削面の崩壊を防ぐため、勾配の基準や点検が、試験でよく問われます。土留めの構造は土留め工でまとめています。

明り掘削では、手掘りの掘削面の勾配を地山の種類と高さに応じて定め、砂からなる地山では35度以下とするか、掘削面の高さを5m未満とします。

掘削面の勾配の基準(手掘り)

手掘りで掘削するときの掘削面の勾配は、地山の種類と掘削面の高さで、次のように決まっています。崩れやすい地山ほど、勾配をゆるく(角度を小さく)します。

明り掘削の掘削面と勾配の模式図 地山 掘削した空間 掘削面の勾配 地表
明り掘削の掘削面と勾配の模式図(角度は実物どおりではありません)。崩れやすい地山ほど勾配をゆるくします。
地山の種類掘削面の高さ勾配
岩盤又は堅い粘土5m未満90度以下
岩盤又は堅い粘土5m以上75度以下
その他の地山2m未満90度以下
その他の地山2m以上5m未満75度以下
その他の地山5m以上60度以下
砂からなる地山高さによらず35度以下 又は 高さ5m未満
発破などで崩壊しやすい地山高さによらず45度以下 又は 高さ2m未満

基準の読み方:崩れやすさと高さの2軸

表が覚えにくいのは、「地山の種類」と「掘削面の高さ」の2つで決まるからです。1つずつ見れば筋が通ります。

①崩れやすい地山ほど、角度を小さくする

  • 岩盤・堅い粘土……崩れにくいので90度(垂直)でも可
  • その他の地山……中間
  • ……粒がバラバラで最も崩れやすいので35度以下
  • 発破で崩壊しやすい地山……45度以下

②同じ地山でも、高いほど角度を小さくする

その他の地山なら、2m未満で90度、2〜5mで75度、5m以上で60度。高くなるほど厳しくなります。崩れたときに落ちてくる土の量が増え、被害が大きくなるためです。

砂と発破の2つだけ高さに関係なく角度が決まるのが特徴です(高さを抑えるなら別の条件)。ここが表の中で浮くので、先に覚えてしまいます。

地山の点検と作業主任者

掘削する地山は、崩れる前ぶれがないか点検します。点検は、作業開始前・大雨の後・中震(震度4)以上の地震の後に行い、浮石・き裂・含水・湧水・凍結のようすを調べます。

掘削面の高さが2m以上の地山の掘削では、地山の掘削作業主任者を選任して作業を指揮させます。

点検の時期が作業開始前・大雨の後・中震以上の地震の後と決まっているのは、いずれも地山の状態が変わった可能性がある区切りだからです。前日は問題なくても、一晩の雨で水を含めば崩れやすくなります。

見るのは浮石・き裂・含水・湧水・凍結の5つです。どれも「崩れる前ぶれ」であって、崩れてからでは間に合わないため、事前に兆候を探します。

2mという数値は、足場を設ける基準と同じです。人が落ちて重傷になる高さとしてくり返し出てくるので、まとめて覚えます。

勾配の基準は崩さないため、作業主任者は崩れる兆候を見て止めるため。仕組みと人の両方で守る形になっています。

掘削作業の安全

掘削に伴う事故を防ぐため、次の措置をとります。

  • ガス導管・地中電線路などの損壊のおそれがあるときは、掘削機械を使用しない(監視員を置けば使ってよい、ではない)。
  • 運搬機械・掘削機械が労働者に接触するおそれがあるときは、誘導者を配置する(または立入禁止にする)。
  • 必要な照度を保ち、保護帽を着用させる。

ガス導管のところだけ「使用しない」と言い切っている点に注意します。他の危険は誘導者や監視で対応できますが、ガス導管の損壊は爆発につながるので、人が見ていても防ぎきれません。

この場合は手掘りに切り替えるか、導管の位置を確かめて十分に離れた場所を機械で掘ります。「監視員を配置すれば掘削機械を使用できる」とした記述は誤りです。

点検の時期に「中震(震度4)以上の地震の後」が入っているのも同じ考え方です。地震で地山が緩んでいても見た目には分かりません。だから決まった出来事のあとは必ず点検する、と定められています。

混同しやすい用語

砂からなる地山 と 岩盤・堅い粘土

同じ手掘りでも、地山によって勾配の基準が違います。砂からなる地山は崩れやすいので35度以下(または高さ5m未満)です。岩盤や堅い粘土は崩れにくいので、高さ5m未満なら90度以下にできます。崩れやすい砂は角度を小さく、と整理できます。

過去問でどう問われたか

明り掘削は、2級・1級で掘削面の勾配と安全措置が問われます。引っかけの中心は、勾配の数値と、ガス導管への対応です。

砂からなる地山の掘削面の勾配は35度以下。ガス導管等の損壊のおそれがあるときは、監視員を置いても掘削機械を使ってはいけません。勾配の数値や「監視員を置けば使える」が、誤り肢の定番です。

年度・級・No.問われ方/引っかけ
平成22年度 1級 No.22手掘りで砂からなる地山の掘削面の勾配は35度以下/地山の掘削作業主任者の選任
平成25年度 1級 No.19手掘りで砂からなる地山の掘削面の勾配を35度以下とする(勾配の数値が論点)
平成26年度 2級後期 No.54岩盤又は堅い粘土の地山で、掘削面の高さ5m未満のときの勾配は90度以下
平成27年度 1級 No.19ガス導管等の損壊のおそれがあるとき「監視員を配置すれば掘削機械を使用してよい」とするのは誤り(使用しない)

理解度チェック

問題:手掘りで砂からなる地山を掘削するときは、掘削面の勾配を35度以下とする。

〇か×か。

答え:

砂からなる地山は崩れやすいので、勾配を35度以下(または高さ5m未満)とします。

問題:地山の点検は、作業開始前、大雨の後、中震以上の地震の後に行う。

〇か×か。

答え:

作業開始前・大雨後・中震(震度4)以上の地震の後に、浮石・き裂・含水・湧水・凍結を点検します。

問題:ガス導管の損壊のおそれがあるときは、監視員を配置すれば掘削機械を使用してよい。

〇か×か。

答え:×

ガス導管・地中電線路などの損壊のおそれがあるときは、掘削機械を使用しません。監視員を置けば使える、ではありません。

まとめ

明り掘削は、地表を開いて掘る掘削で、掘削面の勾配と点検が安全の基本です。

砂からなる地山の勾配は35度以下、点検は作業開始前・大雨後・中震後が要点です。

勾配の数値とガス導管への対応が、過去問でよく問われます。掘削を支える土留め工や、土留めの破壊現象車両系建設機械の安全もあわせて押さえます。勾配・点検・作業主任者は、崩さない・気づく・止めるの3段構えだと考えると、条文の並びも頭に入ります。

参考資料

  • 労働安全衛生規則(明り掘削の作業・第6章)関連資料
  • 厚生労働省「掘削作業の安全」関連資料

※ 掘削面の勾配や点検の基準は労働安全衛生規則に基づきます。改正で内容が変わるため、最新の条文・厚生労働省資料で確認してください。

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