ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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車両系建設機械の安全とは?離席時は下ろす・止める・ブレーキと、作業指揮者と誘導者の違い

けんせつる

けんせつる

バックホウで荷をつってもいいの?

主たる用途以外の使用って、どこまでダメなの?

この記事の要点

車両系建設機械は、労働安全衛生規則で運転・離席・用途・転倒防止の措置が決まっています。

運転位置を離れるときはバケットを下ろして原動機を止め、荷のつり上げなど主たる用途以外の使用は原則禁止。過去問での問われ方も押さえます。

バックホウやブルドーザは、土木工事の主役の機械です。転倒や接触の事故が起きやすいので、運転や用途のルールが、試験でよく問われます。なお機械の選び方は建設機械の選定でまとめています。

車両系建設機械は、運転位置を離れるときにバケット等を地上に下ろして原動機を止め、乗車席以外に人を乗せず、荷のつり上げなど主たる用途以外の使用は原則禁止です。

運転と離席の基本

運転にかかわる基本のルールは、次のとおりです。事故の多くは、離席時の不適切な状態や、人を乗せたことで起こります。

  • 運転位置を離れるときは、バケットやブレードなどを地上に下ろし、原動機を止め、走行ブレーキをかけて逸走を防ぐ。
  • 運転者は、乗車席以外の箇所に労働者を乗せてはならない
  • 路肩・傾斜地・軟弱地などでは、適正な制限速度を定め、これを超えて運転しない。
  • 定期自主検査は事業者の義務で、運転者が必ず行うものではない。

離席の3動作には、それぞれ防ぐ事故がある

運転位置を離れるときの「下ろす・止める・ブレーキ」は、3つとも別の事故を防いでいます。

やること防ぐ事故
バケット・ブレードを地上に下ろす油圧が抜けて自然に落下し、下の人を挟む
原動機を止める誤ってレバーに触れて機械が動き出す
走行ブレーキをかける傾斜で逸走(勝手に動き出す)する

3つは省略できません。「すぐ戻るから」と1つでも飛ばすと、その1つが防いでいた事故が起こります。とくにバケットを上げたままの離席は、油圧がゆっくり抜けて数分後に落ちるため危険です。

乗せてよいのは乗車席だけ

運転者は、乗車席以外の場所に人を乗せてはいけません。

バケットの中、キャタピラの上、車体の縁など、座る場所に見えてもシートベルトも手すりもありません。機械が揺れた瞬間に投げ出され、そのまま履帯に巻き込まれる事故につながります。

また、定期自主検査は事業者の義務です。運転者が必ず行うものではありません。日常の点検(作業開始前点検)と、定期自主検査は別の制度です。

転倒・転落・接触の防止

転倒・転落と、機械への接触は、車両系建設機械の重大事故です。運行経路の整備と誘導者の配置で防ぎます。

  • 運行経路は、路肩の崩壊防止・地盤の不同沈下防止・必要な幅員の保持を行う。
  • 転倒・転落のおそれがあるときは、誘導者を配置して誘導させる。
  • 接触のおそれがあるときは、立入禁止とし、または誘導者を置く。後進時も誘導者・警報で知らせる。
  • 岩石の落下のおそれがある場所では、堅固なヘッドガードを備える。

主たる用途以外の使用と作業指揮者

パワーショベルやドラグ・ショベル(バックホウ)で荷をつり上げる作業は、その機械の「主たる用途以外の使用」にあたります。荷のつり上げなど主たる用途以外の使用は、原則として禁止で、「主たる用途以外に該当しない」とするのは誤りです(一定の要件を満たす場合に限り認められます)。

禁止されているのは、その作業のために設計されていない機械を使うからです。バックホウは掘るための機械で、つり上げを前提とした強度も、安全装置も持っていません。フックが外れても止める仕組みがなく、荷が落ちれば下の人に当たります。

そのため、荷のつり上げには本来移動式クレーンを使います。一定の要件(つり上げ用のフックの装備、作業指揮者の配置など)を満たす場合に限って認められる、という例外の扱いです。

作業指揮者と誘導者は役割が違う

また、車両系建設機械を組み立て・解体するときは、作業指揮者を定めて作業を指揮させます。誘導者とは役割が違うので、混同しないようにします。

作業指揮者誘導者
置く場面機械の組立て・解体転倒・転落・接触のおそれがあるとき
やること手順を決めて作業を指揮する機械を誘導する
見ている相手作業する人たち動いている機械

組立・解体は指揮者、走行・後進は誘導者」。作業の種類で分かれます。

混同しやすい用語

作業指揮者 と 誘導者

どちらも安全のための人ですが、役割が違います。作業指揮者は、機械の組立て・解体などの作業を指揮する人です。誘導者は、転倒・転落や接触のおそれがあるときに、機械を誘導する人です。組立・解体は指揮者、走行・後進の誘導は誘導者、と整理できます。

過去問でどう問われたか

車両系建設機械は、2級・1級でほぼ毎年問われる安全管理の定番です。引っかけの中心は、主たる用途以外の使用の扱いと、離席・誘導などの措置です。

荷のつり上げは主たる用途以外=原則禁止。離席時はバケットを下ろして原動機を止める、乗車席以外に人を乗せない、を入れ替えるのが誤り肢の定番です。

年度・級・No.問われ方/引っかけ
平成24年度 1級 No.16作業を指揮する者の指名義務。ブルドーザの掘削・排土は指名義務なし、杭打ち機(基礎工事用)の組立て等は指名義務あり←義務の有無の取り違え
平成25年度 1級 No.15ドラグ・ショベルにクレーン機能で荷をつり上げる作業を「主たる用途以外の使用に該当しない」とするのは誤り(該当し原則禁止)
平成26年度 2級 実地 No.5転倒・転落防止の措置。運行経路の路肩の崩壊防止・地盤の不同沈下防止・幅員の保持・誘導者の配置
平成27年度 1級 No.17安衛則の措置。路肩・傾斜地で転倒・転落のおそれがあるときの誘導者の配置など、義務と努力義務の区別を問う
平成27年度 2級 No.53正しい=乗車席以外に人を乗せない。誤り=制限速度を超えて運転/バケットを上げたまま離席/運転者が定期自主検査←正答の選び方

理解度チェック

問題:運転者が運転位置を離れるときは、バケットを地上に下ろし、原動機を止めなければならない。

〇か×か。

答え:

離席時はバケット等を地上に下ろし、原動機を止め、走行ブレーキで逸走を防ぎます。「上げたまま離れる」は誤りです。

問題:ドラグ・ショベルにクレーン機能を付けて荷をつり上げる作業は、主たる用途以外の使用に該当しない。

〇か×か。

答え:×

荷のつり上げは主たる用途以外の使用にあたり、原則として禁止です。一定の要件を満たす場合に限り認められます。

問題:転倒・転落のおそれがある場所では、誘導者を配置して車両系建設機械を誘導させる。

〇か×か。

答え:

転倒・転落や接触のおそれがあるときは、誘導者を置きます。運行経路の路肩崩壊防止・不同沈下防止・幅員の保持もあわせて行います。

まとめ

車両系建設機械は、運転・離席・用途・転倒防止の措置が定められています。

離席時はバケットを下ろして原動機を止める、荷のつり上げは主たる用途以外で原則禁止が要点です。

主たる用途以外の扱いと、指揮者・誘導者の役割が、過去問でよく問われます。機械の選び方は建設機械の選定、高所作業は足場の安全基準、作業ごとの作業主任者もあわせて押さえます。

参考資料

  • 労働安全衛生規則(車両系建設機械関係)
  • 厚生労働省「車両系建設機械による労働災害の防止」関連資料

※ 運転・用途・誘導者などの措置は労働安全衛生規則に基づきます。改正で基準が変わるため、最新の条文・厚生労働省資料で確認してください。

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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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