ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT
  1. HOME > 土工 > 盛土の施工

盛土の施工とは?路体は仕上り30cm以下・路床は20cm以下と、締固めは最適含水比で

けんせつる

けんせつる

盛土って、一度に高く盛っちゃダメなの?

まき出し厚や締固めって、何が決まりなの?

この記事の要点

盛土は、土を薄く層状に敷き均し、一層ずつ締め固めてつくります。まき出し厚さは路体と路床で異なります。

最適含水比で締め固めると、最も密に固まります。過去問での問われ方を年度別に押さえます。

盛土は、土を盛り上げて道路や堤防の土台をつくる工事です。一度に高く盛らず、薄く重ねて締め固めるのが基本になります。

盛土は、土を薄く層状に敷き均し、一層ずつ締め固めてつくります。まき出し厚さは路体と路床で異なります。

盛土の施工の流れ

盛土は、土をまき出して敷き均し、ローラなどで締め固める作業をくり返します。一層を薄くするほど、奥までしっかり締め固まります。

盛土材料は、締固め後のせん断強さが大きく、圧縮性が小さいものが望ましいとされます。まき出し厚さや締固め回数は、使う材料によって変わるため、本施工の前に試験施工を行って決めるのが原則です。

まき出し厚さと締固め厚さ

盛土は、ゆるく敷き均した層をローラで締め固めて、決められた仕上り厚さに仕上げます。

盛土の一層の施工(まき出しと締固め)のイメージ図 まき出した層(ゆるい) 仕上り面(締固め後) ローラ
盛土の一層の施工イメージ(形状は実物どおりではありません)。ゆるく敷き均した層をローラで締め固め、仕上り厚さに仕上げます(厚さの目安は下の表のとおり)。

厚さの目安は、盛土の部位によって次のように分かれます。

部位一層の敷均し厚さ締固め後の仕上り厚さ
路体・堤体35〜45cm以下30cm以下
路床25〜35cm以下20cm以下

舗装に近い路床のほうが、より薄く締め固めて高い品質に仕上げます。

路床が薄いのは、交通の荷重を直接受ける場所だからです。舗装の下でわずかでも沈めば、舗装にひび割れやわだちが出ます。路体はその下にあって、多少の変形が上で吸収されるため、一層を厚くとれます。

まき出し厚さと仕上り厚さは別の数値です。ゆるく敷いた状態がまき出し厚さで、締め固めた後が仕上り厚さ。路体なら35〜45cmまいて30cm以下に、路床なら25〜35cmまいて20cm以下に仕上げます。締め固めると厚さは減ります。

数値は「路体30・路床20」(仕上り)を先に覚え、まき出しはそれより1段階厚い、と押さえます。

厚さと回数は試験施工で決める

表の数値は目安であって、そのまま使う値ではありません。

同じ「30cm以下」でも、土の種類・含水状態・使う機械が違えば、必要な締固め回数は変わります。砂質土と粘性土では締まり方がまったく違いますし、ローラの重さでも変わります。

そこで本施工の前に試験施工を行い、その現場の材料と機械でまき出し厚さと締固め回数を決めます。決めた条件どおりに施工すれば品質が確保できる、という考え方です。

これが工法規定方式の考え方につながります。

締固めと含水比

締固めは、土の間隙を減らして密度を高め、強さと安定性を増す作業です。盛土材を最適含水比で締め固めると、最大乾燥密度の状態になり、最も密に固まります。この状態は、水がしみ込んでも崩れにくく、水浸に対する耐久性の面でも望ましいとされています。

締固めの状態は、土の種類や含水状態だけで決まるのではなく、締固め方法(機械や回数)によっても変わります。大型機械が使いにくい構造物の縁部や裏込め、のり面は、小型の機械で入念に締め固めます。

盛土材料に求められる条件

どんな土でも盛土に使えるわけではありません。求められるのは次の性質です。

性質望ましいのは理由
せん断強さ大きいのり面が自立し、すべり破壊を起こしにくい
圧縮性小さい完成後に沈下しない
透水性用途による堤防では小さく、排水層では大きく
吸水による膨張小さい雨で膨らんで変形しない

「盛土材料は締固め後の圧縮性が大きいものが望ましい」とした記述は誤りです。圧縮性が大きい土は、盛土が完成してから荷重や自重でさらに縮み、路面が沈みます。締め固めた時点で、それ以上縮まない状態にしたいので、圧縮性は小さいほうがよいのです。

「圧縮性が大きい=よく締まる」と読み違えやすい場所です。よく締まるかどうかは締固めの話で、締めた後にまだ縮む余地があるかが圧縮性です。

構造物の縁部は小型機械で入念に

橋台やボックスカルバートに接する裏込め部は、盛土の中でもとくに不同沈下を起こしやすい場所です。

理由は2つあります。

  • 大型機械が入らない……構造物にぶつかるため、隅まで転圧できません
  • 構造物側は沈まない……コンクリートは沈まないのに盛土だけ沈むと、境目に段差ができます

だから縁部は小型の機械で、層を薄くして入念に締め固めます。

「構造物の縁部の締固めは大型の締固め機械で行わなければならない」とした記述は誤りです。向きが逆で、大型が使えないからこそ小型で丁寧にやる場所です。

混同しやすい用語

路体盛土 と 路床盛土

同じ盛土でも、位置と求められる品質が違います。路体盛土は、盛土の下のほうの大部分で、土台となる部分です。路床盛土は、舗装のすぐ下にあって、交通の荷重を直接受ける部分です。路床のほうが高い品質を求められるため、一層を薄く(仕上り厚さを小さく)して、ていねいに締め固めます。

過去問でどう問われたか

盛土の施工は、平成22年度から令和7年度まで、2級・1級でほぼ毎年問われています。引っかけは、盛土材料の条件と、締固めのやり方です。

  • ①盛土材料の条件(締固め後の圧縮性は大きいほうがよいのか、小さいほうがよいのか)
  • ②締固めのやり方(構造物の縁部は大型機械か小型機械か、締固めの状態は方法で変わるか)
年度・級・No.問われ方/引っかけ
令和7年度(後期) 2級 No.8盛土の施工。軟弱地盤の対策として「凍結工法」を用いるとするのは誤り(トラフィカビリティの確保にはサンドマット等。凍結工法は不適)
令和6年度(前期) 2級 No.8盛土材料の望ましい条件。「締固め後の圧縮性が大きく、盛土の安定性が保てる」とするのは誤り(圧縮性は小さいことが望ましい)
令和5年度 2級 No.3道路盛土。構造物の縁部の締固めを「大型の締固め機械で行わなければならない」とするのは誤り(縁部は小型機械で入念に締め固める)
平成22年度 1級 No.2盛土の締固め。締固めの状態が「締固め方法によって変わることはない」とするのは誤り(締固め方法によっても変わる)

核心は盛土材料の条件と締固めのやり方です。盛土材料を「圧縮性が大きいものがよい」、構造物の縁部の締固めを「大型機械で行う」とする記述は誤りです。盛土材料は締固め後の圧縮性が小さいものが望ましく、構造物の縁部やのり面は小型の機械で入念に締め固めます。

締固めの状態は土の種類・含水状態だけでなく締固め方法によっても変わる点も、くり返し問われます。

理解度チェック

問題:盛土材を最適含水比で締め固めると、最大乾燥密度の状態になり、最も密に固まる。

〇か×か。

答え:

最適含水比で締め固めると最大乾燥密度になり、間隙が最小で最も密に固まります。水浸に対する耐久性の面でも望ましい状態です。

問題:盛土材料は、締固め後の圧縮性が大きいものが望ましい。

〇か×か。

答え:×

盛土材料は、締固め後のせん断強さが大きく、圧縮性が小さいものが望ましいとされます(令和6年度 2級 No.8)。

問題:構造物の縁部の盛土は、大型の締固め機械で締め固めなければならない。

〇か×か。

答え:×

大型機械が使いにくい構造物の縁部やのり面は、小型の締固め機械で入念に締め固めます(令和5年度 2級 No.3)。

まとめ

盛土は、土を薄く層状に敷き均し、一層ずつ締め固めてつくります。

路体は仕上り30cm以下・路床は仕上り20cm以下が目安で、盛土材料は圧縮性が小さく、縁部は小型機械で締め固めるのが要点です。

盛土材料の条件と締固めのやり方が、過去問でよく問われます。

参考資料

  • 日本道路協会「道路土工-盛土工指針」
  • 国土交通省「土木工事共通仕様書」
  • 過去問の問われ方は、全国建設研修センター公表の試験問題(平成22年度〜令和7年度)にもとづきます(問題文は転載せず論点のみ記載)。

※ 厚さ・数値は標準的な目安です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

T

無料・独学でまなぶ資格のT

T|運営・編集

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

受験ガイド

分野から探す

過去問解説

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 土工 > 盛土の施工