けんせつる
水が多いほうがよく締まりそうなのに、なんで違うの?
土質試験、どれが何に使うのか混ざる…
この記事の要点
土の締固め試験とは、含水比を変えて土を突き固め、含水比と乾燥密度の関係(締固め曲線)を求める室内試験のことです。
最もよく締まる含水比は「最適」含水比です。「最大含水比」は誤り。また試験の組合せ問題では、何が求まり、どこに使うかの対応が問われます。
まず、試験の方法と読み取り方を押さえます。
突固め試験は、モールド(容器)に入れた土をランマ(おもり)で突き固める室内試験です(JIS A 1210)。同じ土の含水比をいくつか変えて締め固め、それぞれの乾燥密度を測ります。
含水比を横軸、乾燥密度を縦軸にとってグラフにしたものが締固め曲線です。山型になり、頂点に注目します。
「水が多いほどよく締まりそう」と思えますが、曲線は山型になります。両側で理由が違います。
水が少ないとき。土粒子どうしの摩擦が大きく、突き固めても粒が動いてくれません。すき間が残ったまま固まるので、密度が上がりません。
水が多いとき。土粒子のすき間を水が占めてしまいます。締固めの力では水は抜けないので、水がある分だけ土粒子が入れません。結果として乾燥密度(土粒子だけの密度)は下がります。
その中間、水が粒子を動かす助けにはなるが、すき間を埋めきってはいないところで密度が最大になります。これが最適含水比です。最もよく締まる含水比は「最適」含水比で、「最大含水比」ではありません。ここをすり替えた肢が出ます。
なお締固めの効果や特性は、土の種類・含水比・施工方法によって変化します。「変化しない」とする肢も誤りです。礫や砂のような粒のそろった土は最大乾燥密度が高く曲線が鋭く、粘性土は最大乾燥密度が低く曲線が平坦になります。
試験の組合せ問題では、試験名/求まるもの/利用の3列が並び、どこか1列だけ入れ替えられます。試験ごとに一対一で押さえておけば見抜けます。
| 試験名 | 求まるもの | 利用 |
|---|---|---|
| 突固めによる土の締固め試験 | 締固め曲線(最適含水比・最大乾燥密度) | 盛土の締固め管理、施工時含水比の決定 |
| CBR試験 | CBR値 | たわみ性舗装(アスファルト舗装)の設計 |
| 土の圧密試験 | 圧縮指数など | 粘性土地盤の沈下量・沈下時間の推定 |
| 土の透水試験 | 透水係数 | 湧水量・水位低下量の算定、排水計画の検討(★液状化の判定ではない) |
| 土の三軸圧縮試験 | 強度定数(粘着力c・せん断抵抗角φ) | 支持力の計算、斜面・基礎の安定計算(★沈下量の推定は圧密試験) |
| 土の粒度試験 | 粒径加積曲線(★流動曲線は液性限界試験) | 建設材料としての適性の判定 |
入れ替えられるのは3列のうち1列だけです。「試験名と求まるものは合っているのに、利用だけ違う」という作りが多いので、最後の列まで読むのが要点です。
混同しやすい用語
最適含水比 と 最大含水比
最もよく締まる(最大乾燥密度が得られる)含水比は最適含水比です。「最大含水比」という言い方ですり替える肢が出ます。最大なのは乾燥密度のほうで、含水比は最適です。
圧密試験 と 三軸圧縮試験
使い道が逆に入れ替えられます。圧密試験は粘性土地盤の沈下量・沈下時間の推定に使います。三軸圧縮試験で求まる強度定数(粘着力c・せん断抵抗角φ)は、支持力の計算や斜面・基礎の安定計算に使います。沈下は圧密、強度は三軸です。
締固め試験は、単独よりも土質試験の組合せ問題の中で出ます。引っかけは2型です。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和6年度 1級(No.6) | 3列の組合せ。締固め試験の行だけが全て正しい。粒度試験は「流動曲線」、透水試験は「軟弱層の厚さ」、三軸は「沈下量」が入れ替え ←②(正答2) |
| 令和8年度 2級(No.7) | 「土の透水試験/地盤の液状化の判定」→ 誤り。排水・浸透水量の検討 ←②(正答2) |
| 令和5年度 2級前期(No.61) | 「最もよく締まる含水比は…最大含水比」→ 誤り。締固めの特性が「変化しない」も誤り ←①(正答1) |
| 令和7年度 2級後期(No.66) | 最適含水比・最大乾燥密度の説明は正しい肢。誤りは工法規定方式の規定項目(正答3) |
問題:含水比が多すぎると乾燥密度が下がるのはなぜか。
土粒子のすき間を水が占めてしまうためです。締固めの力では水は抜けないので、水がある分だけ土粒子が入れません。乾燥密度は土粒子だけの密度なので、その分だけ下がります。逆に水が少なすぎると粒子どうしの摩擦が大きく、突き固めても粒が動かず、すき間が残ります。
問題:最もよく締まる含水比を何というか。「最大含水比」との違いは。
最適含水比です。そのときの乾燥密度が最大乾燥密度になります。最大なのは乾燥密度のほうで、含水比は最適です。「最もよく締まる含水比は最大含水比である」は誤りとして出題されています。(令和5年度2級前期 No.61)
問題:土の透水試験の結果は何に使うか。液状化の判定に使えるか。
求まる透水係数は、地下掘削時の湧水量や水位低下量の算定、排水計画の検討に使います。液状化の判定には使いません(液状化のしやすさは土の粒度やN値などから判断します)。この組合せは令和8年度2級No.7で誤り肢になりました。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
管理人からのコメント
「最大含水比」は、字面がもっともらしいので通してしまいがちです。でも最大なのは乾燥密度で、含水比のほうは最適。曲線の頂点を思い浮かべれば、縦軸が最大・横軸が最適だと分かります。
組合せ問題は、1級で3列、2級で2列の形で出ます。どちらも入れ替えられるのは1列だけです。試験名を見て「これは何が求まる試験か」「その値をどこに使うか」を最後まで確かめる。この読み方だけで正答率が変わります。