ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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土の締固め試験とは?最適含水比・最大乾燥密度と、他の土質試験との使い分け

けんせつる

けんせつる

水が多いほうがよく締まりそうなのに、なんで違うの?

土質試験、どれが何に使うのか混ざる…

この記事の要点

土の締固め試験とは、含水比を変えて土を突き固め、含水比と乾燥密度の関係(締固め曲線)を求める室内試験のことです。

  • 曲線の頂点が最大乾燥密度、そのときの含水比が最適含水比
  • 結果は盛土の締固め管理に使う(締固め度の基準になる)。

最もよく締まる含水比は「最適」含水比です。「最大含水比」は誤り。また試験の組合せ問題では、何が求まり、どこに使うかの対応が問われます。

まず、試験の方法と読み取り方を押さえます。

突固め試験の方法と締固め曲線

突固め試験は、モールド(容器)に入れた土をランマ(おもり)で突き固める室内試験です(JIS A 1210)。同じ土の含水比をいくつか変えて締め固め、それぞれの乾燥密度を測ります。

含水比を横軸、乾燥密度を縦軸にとってグラフにしたものが締固め曲線です。山型になり、頂点に注目します。

  • 最大乾燥密度……曲線の頂点の乾燥密度。最も密に締まった状態。
  • 最適含水比……そのときの含水比。最もよく締まる水分量。
締固め曲線(模式図) 含水比 → 乾燥 密度 最大乾燥密度 最適含水比 水が少ない 粒が動きにくい 水が多い すき間を水が占める
締固め曲線(模式図)。形は土によって変わります。

なぜ水は少なすぎても多すぎてもだめなのか

「水が多いほどよく締まりそう」と思えますが、曲線は山型になります。両側で理由が違います。

水が少ないとき。土粒子どうしの摩擦が大きく、突き固めても粒が動いてくれません。すき間が残ったまま固まるので、密度が上がりません。

水が多いとき。土粒子のすき間を水が占めてしまいます。締固めの力では水は抜けないので、水がある分だけ土粒子が入れません。結果として乾燥密度(土粒子だけの密度)は下がります

その中間、水が粒子を動かす助けにはなるが、すき間を埋めきってはいないところで密度が最大になります。これが最適含水比です。最もよく締まる含水比は「最適」含水比で、「最大含水比」ではありません。ここをすり替えた肢が出ます。

なお締固めの効果や特性は、土の種類・含水比・施工方法によって変化します。「変化しない」とする肢も誤りです。礫や砂のような粒のそろった土は最大乾燥密度が高く曲線が鋭く、粘性土は最大乾燥密度が低く曲線が平坦になります。

他の土質試験との使い分け

試験の組合せ問題では、試験名/求まるもの/利用の3列が並び、どこか1列だけ入れ替えられます。試験ごとに一対一で押さえておけば見抜けます。

試験名 求まるもの 利用
突固めによる土の締固め試験 締固め曲線(最適含水比・最大乾燥密度) 盛土の締固め管理、施工時含水比の決定
CBR試験 CBR値 たわみ性舗装(アスファルト舗装)の設計
土の圧密試験 圧縮指数など 粘性土地盤の沈下量・沈下時間の推定
土の透水試験 透水係数 湧水量・水位低下量の算定、排水計画の検討(★液状化の判定ではない
土の三軸圧縮試験 強度定数(粘着力c・せん断抵抗角φ) 支持力の計算、斜面・基礎の安定計算(★沈下量の推定は圧密試験)
土の粒度試験 粒径加積曲線(★流動曲線は液性限界試験) 建設材料としての適性の判定

入れ替えられるのは3列のうち1列だけです。「試験名と求まるものは合っているのに、利用だけ違う」という作りが多いので、最後の列まで読むのが要点です。

施工管理での確認ポイント

  • 現場の土で試験する:盛土に使う土そのもので締固め曲線を求めているか。別の土のデータを流用していないか。
  • 施工含水比の範囲を決める:最適含水比を基準に、現場で管理できる幅を決めておく。
  • 最大乾燥密度を基準値として共有する:現場の締固め度はこの値を分母に計算する。
  • 土質が変わったら試験をやり直す:土取場が変われば曲線も変わる。

混同しやすい用語

最適含水比 と 最大含水比

最もよく締まる(最大乾燥密度が得られる)含水比は最適含水比です。「最大含水比」という言い方ですり替える肢が出ます。最大なのは乾燥密度のほうで、含水比は最適です。

圧密試験 と 三軸圧縮試験

使い道が逆に入れ替えられます。圧密試験は粘性土地盤の沈下量・沈下時間の推定に使います。三軸圧縮試験で求まる強度定数(粘着力c・せん断抵抗角φ)は、支持力の計算や斜面・基礎の安定計算に使います。沈下は圧密、強度は三軸です。

過去問でどう問われたか

締固め試験は、単独よりも土質試験の組合せ問題の中で出ます。引っかけは2型です。

  • 用語のすり替え……最もよく締まる含水比を「最大含水比」とする。締固めの特性が「変化しない」とする。
  • 組合せの1列だけ入れ替え……試験名と求まるものは合っているのに、利用だけ別の試験のものにする。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和6年度 1級(No.6)3列の組合せ。締固め試験の行だけが全て正しい。粒度試験は「流動曲線」、透水試験は「軟弱層の厚さ」、三軸は「沈下量」が入れ替え ←②(正答2)
令和8年度 2級(No.7)「土の透水試験/地盤の液状化の判定」→ 誤り。排水・浸透水量の検討 ←②(正答2)
令和5年度 2級前期(No.61)「最もよく締まる含水比は…最大含水比」→ 誤り。締固めの特性が「変化しない」も誤り ←①(正答1)
令和7年度 2級後期(No.66)最適含水比・最大乾燥密度の説明は正しい肢。誤りは工法規定方式の規定項目(正答3)

管理人からのコメント

「最大含水比」は、字面がもっともらしいので通してしまいがちです。でも最大なのは乾燥密度で、含水比のほうは最適。曲線の頂点を思い浮かべれば、縦軸が最大・横軸が最適だと分かります。

組合せ問題は、1級で3列、2級で2列の形で出ます。どちらも入れ替えられるのは1列だけです。試験名を見て「これは何が求まる試験か」「その値をどこに使うか」を最後まで確かめる。この読み方だけで正答率が変わります。

理解度チェック

問題:含水比が多すぎると乾燥密度が下がるのはなぜか。

土粒子のすき間を水が占めてしまうためです。締固めの力では水は抜けないので、水がある分だけ土粒子が入れません。乾燥密度は土粒子だけの密度なので、その分だけ下がります。逆に水が少なすぎると粒子どうしの摩擦が大きく、突き固めても粒が動かず、すき間が残ります。

問題:最もよく締まる含水比を何というか。「最大含水比」との違いは。

最適含水比です。そのときの乾燥密度が最大乾燥密度になります。最大なのは乾燥密度のほうで、含水比は最適です。「最もよく締まる含水比は最大含水比である」は誤りとして出題されています。(令和5年度2級前期 No.61)

問題:土の透水試験の結果は何に使うか。液状化の判定に使えるか。

求まる透水係数は、地下掘削時の湧水量や水位低下量の算定、排水計画の検討に使います。液状化の判定には使いません(液状化のしやすさは土の粒度やN値などから判断します)。この組合せは令和8年度2級No.7で誤り肢になりました。

まとめ

  • 土の締固め試験は、含水比を変えて土を突き固め、締固め曲線を求める室内試験(JIS A 1210)。
  • 曲線の頂点が最大乾燥密度、そのときの含水比が最適含水比「最大含水比」は誤り
  • 水が少ないと粒子が動かず、多いとすき間を水が占める。だから山型になる。
  • 締固めの効果や特性は土の種類・含水比・施工方法で変化する。「変化しない」は誤り。
  • 結果は盛土の締固め管理に使い、現場の締固め度を計算する基準になる。
  • 組合せ問題では、CBR=アスファルト舗装の設計/圧密=沈下量/透水=排水計画(液状化ではない)/三軸=支持力・安定計算/粒度=粒径加積曲線、と一対一で押さえる。

現場での管理方法は締固めの品質管理、現場密度の測定はRI計器と砂置換法で確認できます。

参考資料

  • JIS A 1210「突固めによる土の締固め試験方法」
  • 日本道路協会「道路土工-盛土工指針」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
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