けんせつる
圧密試験と三軸圧縮試験、どっちが沈下でどっちが支持力?
CBR試験って支持力の計算に使うんじゃないの?
この記事の要点
土質試験とは、現場から採取した土や現地の地盤を調べて、強さ・圧縮性・密度・粒度といった性質を数値で求める試験のことです。
試験は「何を知りたいか」で選びます。地盤に聞きたいことは4つしかありません。
沈下は圧密、支持力は圧縮。ここが入れ替わると誤りです。
まず、土質試験がどう分かれているのかを押さえます。
土質試験は、大きく2つに分かれます。
どちらが優れているという話ではなく、目的で使い分けます。広く当たりを付けるのが原位置試験、設計の数値を出すのが室内試験、という関係です。
出題は、3つの列が並んだ組合せで出ます。ずれるのはたいてい3列目の使いみちです。
| 試験名 | 求まるもの | 使いみち |
|---|---|---|
| 粒度試験 | 粒径加積曲線 | 建設材料としての適性の判定 |
| 含水比試験 | 土粒子の質量に対する間隙水の質量の割合 | 乾燥密度との関係から締固め曲線を描く |
| 締固め試験 | 締固め曲線 | 施工時含水比の決定 |
| 透水試験 | 透水係数 | 湧水量・排水の検討 |
| 圧密試験 | 圧密係数・体積圧縮係数 | 飽和粘性土地盤の沈下量と沈下時間の推定 |
| 一軸圧縮試験 | 一軸圧縮強さ(自然地盤の非排水せん断強さ) | 原地盤の支持力の推定、土圧・斜面安定の強度定数 |
| 三軸圧縮試験 | 強度定数(粘着力c・せん断抵抗角φ) | 支持力の計算、斜面・基礎の安定計算 |
| コンシステンシー試験 | 液性限界・塑性限界 | 盛土材料の適否の判断 |
| CBR試験 | 貫入ピストンの荷重強さの百分率(CBR値) | 舗装厚の設計・路盤材料の選定 |
N値そのものは標準貫入試験とN値、締固め度の管理は締固めの品質管理、平板載荷は平板載荷試験で確認できます。
この2つが分かれる理由は、土の中で起きていることが違うからです。
軟弱な粘性土は、間隙に水を多く含んでいます。上から荷重がかかると、その水が少しずつ外へ押し出され、押し出された分だけ土の粒子が詰まって体積が減ります。これが圧密です。
水が抜けるのに時間がかかるので、沈下もゆっくり進みます。だから圧密試験では、沈下の「量」だけでなく「時間」も分かります。体積圧縮係数から沈下量、圧密係数から沈下時間を推定します。
砂質土に圧密試験を使わないのは、間隙が大きく透水性が高いためです。荷重がかかると同時に水が出てしまい、沈下が即座に終わります。これは即時沈下として別に扱います。バーチカルドレーン工法が粘性土を対象にするのも、この時間を短くするためです。
一軸圧縮試験は、円柱状に成形した試料に側面からの拘束をかけずに、上から荷重をかけて壊します。拘束が無いので、自立できる粘性土でないと試験が成立しません。砂質土は拘束がないと崩れてしまいます。
三軸圧縮試験は、試料をゴム膜で包んで側面から圧力をかけながら押します。拘束があるので砂質土にも使えます。得られるのは粘着力cとせん断抵抗角φの2つで、これを支持力の計算や斜面・基礎の安定計算に使います。
沈下量の推定に強度定数は使いません。強さと沈みやすさは別の性質だからです。令和6年度1級No.6では、三軸圧縮試験の強度定数を「地盤の沈下量の推定に用いる」とした肢が誤りでした。
3種類とも舗装のための試験で、地盤の許容支持力を算定するものではありません。許容支持力に使うのは平板載荷試験や、一軸・三軸圧縮試験から得られる強度定数です。CBRの3種類は設計CBRと修正CBRの違いにまとめています。
混同しやすい用語
圧密試験 と 三軸圧縮試験
圧密試験は、水が抜けながら土が縮む現象を扱い、沈下量と沈下時間を求めます。三軸圧縮試験は、壊れるまでの強さから強度定数(c・φ)を求め、支持力と安定計算に使います。「沈むか」は圧密、「耐えるか」は圧縮で分けます。
一軸圧縮試験 と 三軸圧縮試験
一軸は側面の拘束が無いので、自立する粘性土でしか成形できません。三軸は側面から圧力をかけて拘束するので、砂質土にも使えます。得られる値も、一軸は一軸圧縮強さ、三軸はcとφの両方です。
粒径加積曲線 と 流動曲線
粒径加積曲線は粒度試験で得られ、土粒子の粒径の分布を表します。流動曲線は液性限界試験で得られる別の曲線です。令和6年度1級No.6では、粒度試験の求まるものを流動曲線とした肢が出ました。
この論点は1級で令和5・6・7年度、2級で令和4年度前期・後期と令和8年度に出ています。肢の前半(試験の説明)はたいてい正しく書いてあり、後半の使いみちだけがすり替わります。引っかけは大きく3パターンです。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和8年度 2級(No.7) | 試験名と結果の利用の組合せ |
| 令和7年度 1級(No.6) | 原位置試験と結果の利用 |
| 令和6年度 1級(No.6) | 三軸圧縮試験の強度定数を「沈下量の推定」に→ 沈下量は圧密試験。粒度試験の求まるものを流動曲線に ←①② |
| 令和5年度 1級(No.1) | CBR試験を「地盤の許容支持力の算定」に→ 舗装厚の設計・路盤材料の選定 ←①用途 |
| 令和4年度 2級後期(No.2) | 現場密度の測定を「地盤改良工法の設計」に→ 盛土の締固め管理 ←①用途 |
| 令和4年度 2級前期(No.2) | 試験名と結果の利用の組合せ |
| 平成25年度 2級(No.1) | 原位置試験の種類と結果の活用 |
つまり沈下量と沈下時間は圧密試験、支持力と安定計算は一軸・三軸圧縮試験、盛土材料の適否はコンシステンシー試験、舗装厚はCBR試験。この4組を覚えれば、組合せ問題はほぼ切れます。
問題:圧密試験を砂質土に使わないのはなぜか。
砂質土は間隙が大きく透水性が高いため、荷重がかかると同時に水が排出されて沈下が即座に終わるからです。圧密は、粘性土の間隙水が時間をかけて抜けながら粒子が詰まる現象で、その「時間」を測るのが圧密試験です。砂質土の沈下は即時沈下として別に扱います。
問題:一軸圧縮試験を砂質土に適用できないのはなぜか。
一軸圧縮試験は側面からの拘束をかけずに行うため、試料が自立できないと成形できないからです。砂質土は拘束がないと崩れます。拘束圧をかける三軸圧縮試験なら砂質土にも使えます。
問題:三軸圧縮試験で求めた強度定数を、地盤の沈下量の推定に使えないのはなぜか。
強度定数(粘着力c・せん断抵抗角φ)は「壊れるまでの強さ」を表す値で、「どれだけ縮むか」を表す値ではないからです。沈下量は、水が抜けながら縮む量を測る圧密試験で推定します。(令和6年度1級 No.6)
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
このサイトについて
管理人からのコメント
この論点が毎年出るのは、試験の名前を覚えているだけでは解けないからです。肢の前半は正しく書いてあるので、読んでいて「合っている」と感じます。その勢いで後半を流すと落とします。読む順番を変えて、使いみちの列から先に見ると引っかかりません。
覚え方は、地盤に何を聞きたいかで分けるのが早いです。「どれだけ沈むか」なら圧密、「どれだけ耐えるか」なら圧縮、「舗装を何cmにするか」ならCBR、「盛土に使えるか」ならコンシステンシー。試験の手順は後から付いてきます。