ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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コンクリートの配合とは?できるだけ小さくが原則、空気量と最小スランプは例外

けんせつる

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「できるだけ小さく」ばっかりで覚えられない!

スランプって小さくするんじゃないの?

この記事の要点

配合で決める値は、原則としてできるだけ小さくします。大きいほど不利になるためです。

  • 単位水量・水セメント比・スランプ・細骨材率……所要の性能が得られる範囲でできるだけ小さく
  • ★例外①空気量……凍結融解を受ける場合は確保する。少なくすると凍害を受けやすい。
  • ★例外②最小スランプ……鋼材のあきが狭いほど、締固め作業高さが大きいほど大きく定める。
  • 水セメント比=質量比細骨材率=絶対容積比。ここも入れ替えて問われます。

原則を覚えたら、例外2つとセットで押さえてください。誤り肢はほぼこの2つに集まります。

まず、配合で決める値の定義から整理します。

配合で決める値と、その定義

定義
水セメント比 水とセメントの★質量比を百分率で表した値
細骨材率 全骨材量に対する細骨材量の★絶対容積比を百分率で表した値
単位水量 コンクリート1m3をつくるのに用いる水の質量
スランプ やわらかさ(変形しやすさ)の指標

水セメント比を「絶対容積比」と書く肢は誤りです。絶対容積比なのは細骨材率のほうです。細骨材率は、砂(細骨材)と砂利・砕石(粗骨材)を合わせた全骨材のうち、細骨材が占める体積の割合を表します。

「できるだけ小さく」が原則

配合で決める値は、大きくすると不利になるものばかりです。だから所要の性能が得られる範囲で、できるだけ小さく定めます。

  • 単位水量……所要のワーカビリティーが得られる範囲内でできるだけ少なくします。多いと乾燥収縮やブリーディングが増え、品質が低下します。
  • 水セメント比……強度や耐久性等を満足する値の中から最も小さい値を選定します。
  • スランプ……運搬・打込み・締固め等の作業に適する範囲内でできるだけ小さくします。大きいと材料分離・ブリーディング・乾燥収縮が増えます。
  • 細骨材率……所要のワーカビリティーを保ちつつ、単位水量ができるだけ少なくなる範囲で小さくします。

「スランプはできるだけ大きくする」「単位水量はできるだけ大きくする」はどちらも向きが逆で誤りです。この形は毎年出ます。

例外① 空気量だけは確保する

3つ4つ「小さく」が並ぶ中に、空気量を紛れ込ませる問題が出ます。ここだけ事情が違います。

凍結融解作用を受けるコンクリートでは、AE剤で微細な空気泡を連行し、適切な空気量を確保します。「凍結融解作用を受ける場合にはできるだけ少なくするのがよい」は向きが逆で誤りです。空気量を少なくすると凍害を受けやすくなります

ただし、増やすほどよいわけでもありません。多すぎると強度が落ちます。確保するのは所定の範囲です。

例外② 最小スランプは条件が厳しいほど大きくなる

ここが混乱しやすいところです。「スランプはできるだけ小さく」なのに、最小スランプは大きく定める場面が出てきます。

矛盾ではありません。別の話をしています。

  • 原則の「できるだけ小さく」……全体として、スランプは小さいほうが品質に有利。
  • 最小スランプ……これ以上下げると充填できない下限のこと。条件が厳しいほど、この下限が上がる。

下限を上げる条件は2つです。

最小スランプが大きくなる2条件(模式図) ① 鋼材の最小あき 広い 狭い=流れにくい ★狭いほど 最小スランプは大きく ② 締固め作業高さ 0.5m 浅い 1m 深い=分離しやすい ★大きいほど 最小スランプは大きく
最小スランプが大きくなる2条件(模式図)。

①鋼材の最小あきが小さいほど、最小スランプは大きく定めます。鉄筋のすき間が狭いと流れにくく充填しにくいため、やわらかくする必要があるからです。

②締固め作業高さが大きいほど、最小スランプは大きく定めます。締固め作業高さとは、締め固める作業員の足元から打ち込む面までの高さです。この高さが大きいほど深い位置まで行き渡らせなければならず、自由落下による材料分離も起きやすくなります。「締固め作業高さが大きいほど小さくなるように定める」は誤りです。

作業高さ1mと0.5mを比べるなら、1mのほうをスランプ大に設定するのが適当です。

高性能AE減水剤と圧送

高性能AE減水剤を用いたコンクリートは、水セメント比とスランプが同じなら、通常のAE減水剤に比べて細骨材率を1〜2%程度大きく設定します。減水性能が高く単位水量を小さくできる分、材料分離を防ぐためです。「0〜1%小さく設定する」は向きが逆です。

圧送では、管内閉塞を防ぐために単位粉体量をある程度確保します。「できるだけ単位粉体量を減らす必要がある」は誤りです。減らしすぎると粘性が不足し、かえって閉塞しやすくなります

混同しやすい用語

水セメント比 と 細骨材率

比の取り方が違います。水セメント比は質量比(水とセメントの重さの比)、細骨材率は絶対容積比(全骨材のうち細骨材が占める体積の割合)です。水セメント比を「絶対容積比」と書く肢が出ますが誤りです。

スランプ と 最小スランプ

指しているものが違います。原則のスランプは「作業に適する範囲でできるだけ小さく」。一方最小スランプこれ以上下げると充填できない下限で、鋼材のあきが狭いほど、締固め作業高さが大きいほど大きく定めます。矛盾ではなく、原則の下限が条件で上がるという話です。

過去問でどう問われたか

配合は1級・2級とも毎年出ます。引っかけは3型です。

  • 原則の向きを逆にする……「スランプはできるだけ大きく」「単位水量はできるだけ大きく」。
  • 例外を原則に混ぜる……空気量を「できるだけ少なく」、最小スランプを「作業高さが大きいほど小さく」。
  • 定義の入れ替え……水セメント比を「絶対容積比」に。細骨材率の増減を逆に。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和4年度 2級前期(No.6)3つの「小さく」に空気量を紛れ込ませる。「凍結融解を受ける場合は少なく」→ 誤り ←②(正答4)
令和5年度 2級後期(No.6)「締固め作業高さが大きいほど小さく定める」→ 誤り。大きくする ←②(正答2)
令和6年度 1級(No.13)高性能AE減水剤で細骨材率を「小さく」、スランプを「できるだけ大きく」、単位粉体量を「減らす」→ 3つとも逆 ←①③(正答1)
令和7年度 2級後期(No.11)水セメント比を「絶対容積比」→ 誤り(質量比)。スランプ・単位水量を「大きく」→ 誤り ←①③(正答3)

管理人からのコメント

この単元は原則1つと例外2つで片づきます。並んだ肢のうち「小さく」と書いてあるものは、たいてい正しい。誤りは空気量最小スランプに潜んでいます。まずそこを見てください。

最小スランプでつまずく人が多いのは、原則と逆に見えるからです。「できるだけ小さく」は上を抑える話、「最小スランプ」は下限の話と切り分けると、条件が厳しいほど下限が上がるのは自然に読めます。鉄筋がびっしりの箇所に硬いコンクリートを流し込めない、というだけの話です。

理解度チェック

問題:凍結融解作用を受けるコンクリートの空気量は、できるだけ少なくするのがよいか。

誤りです。AE剤で微細な空気泡を連行し、適切な空気量を確保します。少なくすると凍害を受けやすくなります。ただし多すぎると強度が落ちるため、確保するのは所定の範囲です。単位水量・水セメント比・スランプが「できるだけ小さく」なのに対し、空気量だけが例外です。(令和4年度2級前期 No.6)

問題:締固め作業高さが大きいとき、最小スランプはどう定めるか。

大きく定めます。作業高さが大きいほど深い位置まで行き渡らせる必要があり、自由落下による材料分離も起きやすいためです。作業高さ1mと0.5mなら1mのほうをスランプ大にします。鋼材の最小あきが小さいほども同じく大きく定めます。(令和5年度2級後期 No.6、令和6年度1級 No.13)

問題:水セメント比と細骨材率は、それぞれ何の比か。

水セメント比は質量比(水とセメントの重さの比)、細骨材率は絶対容積比(全骨材量に対する細骨材量の体積の割合)を百分率で表した値です。水セメント比を「絶対容積比」とする肢は誤りです。(令和7年度2級後期 No.11)

まとめ

  • 原則=単位水量・水セメント比・スランプ・細骨材率はできるだけ小さく。大きいと乾燥収縮・ブリーディング・材料分離が増える。
  • ★例外①空気量=凍結融解を受ける場合はAE剤で確保。少ないと凍害、多いと強度低下。
  • ★例外②最小スランプ鋼材の最小あきが小さいほど締固め作業高さが大きいほど大きく定める。
  • 水セメント比=質量比細骨材率=絶対容積比
  • 高性能AE減水剤を使うと、細骨材率は通常のAE減水剤より1〜2%大きく設定する。
  • 圧送では単位粉体量をある程度確保する。減らしすぎると粘性不足で閉塞しやすい。

スランプの測り方はスランプ試験と空気量、現場での判定はレディーミクストコンクリートの受入れ検査で確認できます。

参考資料

  • 土木学会「コンクリート標準示方書 施工編」
  • JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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