ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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コンクリートの養生とは?強度が出るのが遅いほど長い、混合セメントは普通より長い

けんせつる

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混合セメントって、長いんだっけ短いんだっけ…

寒い日は早く固めたいから、短くていい?

この記事の要点

養生は、セメントの水和反応を十分に進めるため、コンクリートを湿潤状態に保つ作業です。

  • 強度が出るのが遅いほど、養生期間は長い。これ一つで大半が解けます。
  • 湿潤養生期間=早強ポルトランド < 普通ポルトランド < 混合セメント
  • 気温15℃以上の標準=普通ポルトランド5日、混合セメント(高炉B種)7日
  • 外気温が低いほど、養生期間は長くする。

出題は4年連続で「混合セメントのほうが短い」という誤り肢です。長短を逆にしてきます。

まず、なぜ湿らせておくのかを押さえます。

養生の目的は水和反応を進めること

コンクリートは、セメントと水が反応して固まります。この反応を水和反応といいます。

反応には水が要ります。表面が乾いてしまうと、そこから先の反応が進まず、必要な強度に届きません。だから湿潤状態に保つのが養生です。

養生期間中は、予想される振動等の有害な作用からコンクリートを保護し、有害な応力や変形を加えないようにします。まだ固まりきっていないためです。

長さを決めるのは「強度が出る速さ」

ここがこの単元の中心です。強度が出るまでに時間がかかるセメントほど、水分を長く保たなければなりません。

湿潤養生期間の長さは、次の順になります。

セメントの種類と湿潤養生期間(気温15℃以上の標準) 気温15℃以上の標準(コンクリート標準示方書) 早強ポルトランド 短い 普通ポルトランド 5日 混合セメント(高炉B種) 7日 ★強度が出るのが遅いほど、養生期間は長い
セメントの種類と湿潤養生期間(気温15℃以上の標準)。

混合セメント(高炉セメントやフライアッシュセメントなど)は、普通ポルトランドセメントに高炉スラグ微粉末やフライアッシュを混ぜたものです。混ぜた分だけ初期の水和反応がゆるやかになり、強度の出方も遅くなります。だから養生を長くとります

「混合セメントの湿潤養生期間は、普通ポルトランドセメントより短くする」は誤りです。早強ポルトランドセメントと比べても同じで、「早強ポルトランドセメントよりも短くする」も誤りです。

気温が低いほど長い

もう一つ、期間を決める要素があります。気温です。

気温が低いと水和反応が遅くなり、同じ日数では必要な強度に届きません。したがって日平均気温が低い時期ほど、養生期間は長くします

「セメントの種類によらず、日平均気温が低い時期は高い時期より養生期間を短くする」は逆で誤りです。

理屈はセメントの種類と同じです。強度が出るのが遅い条件では、長く水分を保つ。混合セメントも、低い気温も、どちらも「遅い側」です。

養生の方法と、寒いときの給熱

  • 湿潤状態に保つ……散水湛水養生マット、シート等を使います。
  • 初期凍害のおそれがある場合は、ジェットヒータ等で給熱します(寒中コンクリートの措置)。
  • 有害な作用から保護……振動・衝撃・荷重を加えないようにします。

仕上げについても、あわせて出ます。密実な表面を必要とする場合は、作業が可能な範囲でできるだけ遅い時期に金ごてで仕上げます。仕上げ後、コンクリートが固まり始める前に発生したひび割れは、タンピング等で修復します。

特殊なコンクリートの養生

種類 養生で気をつけること
マスコンクリート 部材内外の温度差が大きくならないように、コンクリート温度をできるだけ緩やかに外気温に近づける(急な温度低下は温度ひび割れの原因)
高流動コンクリート プラスティック収縮ひび割れが発生しやすい(ブリーディングが少なく表面が乾きやすい)ため、表面の乾燥を防ぐ
膨張コンクリート 所要の強度発現と膨張力を得るため、打込み後湿潤状態に保つことがきわめて重要

3つとも、乾燥させない・急に冷やさないという点は共通しています。理由がそれぞれ違うだけです。

混同しやすい用語

早強ポルトランドセメント と 混合セメント

湿潤養生期間の長さが逆です。早強は強度が早く出るので養生期間は短く混合セメントは初期の水和反応がゆるやかで強度発現が遅いため長くとります。順序は早強 < 普通 < 混合。気温15℃以上の標準で、普通ポルトランドが5日、混合セメント(高炉B種)が7日です。

気温が低い と 養生が短い

結びつけると逆になります。気温が低いと水和反応が遅くなるため、必要な強度に届くまで時間がかかり、養生期間は長くします。「早く固めたいから短く」ではありません。セメントの種類と同じで、遅い条件ほど長いと考えれば揃います。

過去問でどう問われたか

養生は1級・2級とも毎年出ます。しかも4年連続で同じ引っかけです。

  • セメントの長短を逆にする……「混合セメントは普通(または早強)より短くする」。
  • 気温の長短を逆にする……「気温が低い時期は養生期間を短くする」。
  • 特殊コンクリートの向きを逆にする……マスコンクリートの温度を急に下げる、など。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和8年度 2級(No.13)「標準日数は普通ポルトランドの方が長い」→ 誤り。混合セメントの方が長い ←①(正答2)
令和7年度 2級後期(No.13)「気温が低い時期は高い時期より短くする」→ 誤り。低いほど長く ←②(正答1)
令和6年度 2級後期(No.13)「混合セメントは普通ポルトランドより短くする」→ 誤り ←①(正答2)
令和6年度 1級(No.15)「混合セメントB種は普通ポルトランドより短くなる」→ 誤り。マス・高流動・膨張の記述は正しい ←①(正答3)
令和4年度 2級後期(No.8)「混合セメントは早強ポルトランドより短くする」→ 誤り。金ごて・タンピングは正しい ←①(正答4)

管理人からのコメント

この単元は覚えることが1つしかありません。「強度が出るのが遅いほど、養生は長い」。混合セメントも、低い気温も、どちらも遅い側なので長くなります。

出題側もそれを分かっていて、5年で4回、同じ長短の逆を出しています。「混合セメントは短い」と書いてあったら、そこが誤りです。数値まで覚えなくても、順序が言えれば選べます。数値を聞かれるとしたら普通5日・混合7日(気温15℃以上)です。

理解度チェック

問題:混合セメントの湿潤養生期間は、普通ポルトランドセメントより長いか短いか。

長くとります。混合セメントは高炉スラグ微粉末やフライアッシュを混ぜた分、初期の水和反応がゆるやかで強度発現が遅いためです。順序は早強 < 普通 < 混合。気温15℃以上の標準で普通ポルトランドが5日、混合セメント(高炉B種)が7日です。(令和6年度1級 No.15、令和8年度2級 No.13)

問題:日平均気温が低い時期、養生期間はどうするか。

長くします。気温が低いと水和反応が遅くなり、同じ日数では必要な強度に届かないためです。「低い時期は高い時期より短くする」は逆で誤りです。初期凍害のおそれがある場合はジェットヒータ等で給熱します。(令和7年度2級後期 No.13)

問題:マスコンクリートの養生では、温度をどう扱うか。

部材内外の温度差が大きくならないように、コンクリート温度をできるだけ緩やかに外気温に近づけます。急な温度低下は温度ひび割れの原因になります。高流動コンクリートはプラスティック収縮ひび割れが出やすいため表面の乾燥を防ぎ、膨張コンクリートは膨張力を得るため湿潤状態の保持がきわめて重要です。(令和6年度1級 No.15)

まとめ

  • 養生=セメントの水和反応を進めるため、コンクリートを湿潤状態に保つ作業。
  • 強度が出るのが遅いほど、養生期間は長い
  • 湿潤養生期間=早強 < 普通 < 混合セメント。気温15℃以上で普通5日、混合(高炉B種)7日
  • 外気温が低いほど長くする。「短くする」は誤り。
  • 方法=散水・湛水・養生マット。初期凍害のおそれがあればジェットヒータ等で給熱
  • 仕上げ=密実な表面はできるだけ遅い時期に金ごて。固まる前のひび割れはタンピングで修復。
  • マスコンクリート=温度を緩やかに外気温へ。高流動=表面の乾燥を防ぐ。膨張=湿潤状態の保持が重要。

打込みまでの手順はコンクリートの打込み・締固め、寒中・暑中の扱いは寒中・暑中コンクリートで確認できます。

参考資料

  • 土木学会「コンクリート標準示方書 施工編」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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