ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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寒中・暑中コンクリートとは?基準はどちらも日平均気温、暑中は遅延形の減水剤

けんせつる

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4℃って、最低気温のこと?平均気温のこと?

暑いときは早く固めたいから促進形じゃないの?

この記事の要点

適用の基準は、寒中も暑中も日平均気温です。日最低気温でも日最高気温でもありません。

  • 寒中コンクリート日平均気温4℃以下になることが予想される場合。
  • 暑中コンクリート日平均気温25℃を超える時期に施工が想定される場合。
  • ★暑中は練混ぜ開始から打ち終わるまで1.5時間以内、減水剤・AE減水剤は遅延形
  • ★寒中は養生終了後の表面の急冷を防止する。急冷で生じるのはひび割れ

「日最低気温が4℃以下」「促進形の減水剤」「急冷でブリーディング」。この3つが定番の誤りです。

まず、どちらの基準も同じだという点から押さえます。

適用の基準はどちらも日平均気温

日平均気温による区分 ★判断はすべて「日平均気温」 寒中コンクリート 通常 暑中コンクリート 4℃ 25℃ 4℃以下 25℃を超える 日平均気温 →
日平均気温による区分。
  • 寒中コンクリート……日平均気温が4℃以下になることが予想される場合に施工します。凍害を受ける温度域に入る目安です。
  • 暑中コンクリート……日平均気温が25℃を超える時期に施工することが想定される場合、暑中コンクリートとしての施工を標準とします。

「日最低気温が4℃以下になることが予想される場合」は誤りです。

理由は範囲がずれるからです。日最低気温を基準にすると、日中は十分に気温が上がる時期まで寒中コンクリートの扱いに含めてしまいます。1日を通した平均で見るから、対策が必要な時期と一致します。

暑中コンクリート 1.5時間と遅延形

暑いときの問題は凝結が早く進むことです。対策は2つとも「時間を稼ぐ」方向に向いています。

  • 練混ぜ開始から打ち終わるまでの時間は1.5時間以内を原則とします。練混ぜ後できるだけ早い時間に打ち込むためです。
  • 減水剤・AE減水剤は遅延形のものを用います。コールドジョイントの発生を防ぐためです。

「促進形のものを用いる」は誤りです。気温が高いほど凝結が早く進み、打重ねまでに許される時間が短くなります。そこへ促進形を使えば、さらに短くなってコールドジョイントが起きやすくなります。遅延形で凝結を遅らせ、打重ねまでの時間を稼ぐのが正しい向きです。

寒中コンクリート 急冷で生じるのはひび割れ

寒いときの問題は初期凍害強度が出ないことです。保温養生給熱養生(ジェットヒータ等)を行います。

注意点は養生が終わったあとです。保温養生・給熱養生の終了後に急に寒気にさらすと、表面にひび割れが生じるおそれがあります。温まっていた表面が急に冷えて縮み、表面と内部の温度差による温度応力で引っぱられるためです。

したがって、適当な方法で保護し表面の急冷を防止します。

「急に寒気にさらすと表面にブリーディングが生じる」は誤りです。ブリーディング打込み直後にコンクリート上面へ水がにじみ出る現象で、養生終了後の急冷で生じるものではありません。現象のすり替えです。

同じ問題に出る各種のコンクリート

2級では「各種のコンクリート」として、寒中と一緒に次のものが並びます。

種類 要点 出た誤り
マスコンクリート 水和熱による引張応力の温度ひび割れ 圧縮応力アルカリ骨材反応による
膨張コンクリート 膨張材を用い、ひび割れの発生・拡大を防ぐ 減水剤を練り混ぜる
流動化コンクリート 流動化剤を添加。スランプは原則18cm以下
水中コンクリート 原則トレミー管かコンクリートポンプ。水中に落下させず連続して打ち込む

マスコンクリートの温度ひび割れは、内部が水和熱で温まって膨らみ、その後に冷えて縮むときに起きます。外側や地盤に拘束されて自由に縮めないため、引っぱられるのです。「圧縮応力」は逆です。

混同しやすい用語

日平均気温 と 日最低気温

寒中コンクリートの基準は日平均気温4℃以下です。日最低気温ではありません。日最低気温で判断すると、日中は十分に気温が上がる時期まで寒中の扱いに含めてしまい、適用の範囲がずれます。暑中の25℃を超えるも同じく日平均気温です。

遅延形 と 促進形

暑中コンクリートでは遅延形を用います。気温が高いほど凝結が早く、打重ねまでの許される時間が短くなるため、凝結を遅らせて時間を稼ぐのが目的です。「早く固めたいから促進形」と考えると逆になります。促進形は寒中など、強度の出方が遅い条件で検討されるものです。

過去問でどう問われたか

寒中・暑中は1級で3年連続、2級では「各種のコンクリート」として毎年出ます。引っかけは3型です。

  • 気温の種類をすり替える……「日最低気温が4℃以下」。
  • 薬剤の向きを逆にする……暑中に「促進形」、膨張コンクリートに「減水剤」。
  • 現象をすり替える……急冷で「ブリーディング」、マスコンに「圧縮応力」「アルカリ骨材反応」。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和7年度 1級(No.14)急冷で表面に「ブリーディング」→ 誤り。生じるのはひび割れ ←③(正答1)
令和6年度 1級(No.14)日最低気温が4℃以下」→ 誤り。日平均気温 ←①(正答4)
令和5年度 1級(No.9)暑中の減水剤に「促進形」→ 誤り。遅延形 ←②(正答4)
令和8年度 2級(No.12)マスコンを水和熱による「圧縮応力」→ 誤り。引張応力 ←③(正答1)
令和6年度 2級後期(No.12)膨張コンクリートに「減水剤」、寒中に「日最低気温」、マスコンに「アルカリ骨材反応」→ 3つとも誤り ←①②③(正答4)
令和7年度 2級(No.12)寒中の数値をずらす。マスは引張応力、流動化は流動化剤が正しい ←①(正答4)

管理人からのコメント

この単元は数字より、数字の前についている言葉が問われます。4℃も25℃も正しく書いてあって、「日最低気温」に変えるだけで誤り肢になります。数値だけ確認して読み飛ばすと引っかかります。

遅延形のほうは、理屈で押さえたほうが早いです。暑いと固まるのが早い。固まるのが早いとコールドジョイントができる。だから遅らせる。「暑いから早く打ちたい」という気持ちに引きずられて促進形を選ばないようにしてください。

理解度チェック

問題:寒中コンクリートとするのは、何の気温が何℃以下のときか。

日平均気温が4℃以下になることが予想される場合です。日最低気温ではありません。日最低気温で判断すると、日中は十分に気温が上がる時期まで含めてしまい、適用の範囲がずれます。暑中コンクリートは日平均気温が25℃を超える場合です。(令和6年度1級 No.14)

問題:暑中コンクリートで用いる減水剤は、促進形か遅延形か。

遅延形です。気温が高いほど凝結が早く進み、打重ねまでに許される時間が短くなってコールドジョイントが起きやすくなるため、凝結を遅らせて時間を稼ぎます。あわせて、練混ぜ開始から打ち終わるまでは1.5時間以内を原則とします。(令和5年度1級 No.9)

問題:寒中コンクリートで、保温養生の終了後に急に寒気にさらすと何が生じるか。

表面にひび割れが生じるおそれがあります。表面と内部の温度差による温度応力のためです。適当な方法で保護し表面の急冷を防止します。ブリーディング打込み直後に上面へ水がにじみ出る現象で、別のものです。(令和7年度1級 No.14)

まとめ

  • ★基準はどちらも日平均気温寒中=4℃以下暑中=25℃を超える。「日最低気温」は誤り。
  • 暑中=練混ぜ開始から打ち終わりまで1.5時間以内
  • ★暑中の減水剤・AE減水剤は遅延形。コールドジョイント防止のため凝結を遅らせる。「促進形」は誤り。
  • 寒中=保温養生・給熱養生。終了後の表面の急冷を防止する。急冷で生じるのはひび割れ(ブリーディングではない)。
  • マスコンクリート=水和熱による引張応力の温度ひび割れ。「圧縮応力」「アルカリ骨材反応」は誤り。
  • 膨張コンクリート膨張材(減水剤ではない)。流動化コンクリート=流動化剤、スランプ原則18cm以下。
  • 水中コンクリート=原則トレミー管かコンクリートポンプで、水中に落下させず連続して打ち込む。

養生期間の決まりはコンクリートの養生、コールドジョイントの防止はコンクリートの打込み・締固めで確認できます。

参考資料

  • 土木学会「コンクリート標準示方書 施工編」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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