ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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コンクリートの打込み・締固めとは?自由落下1.5m・挿入5〜15秒と横移動の禁止

けんせつる

けんせつる

数字が多すぎて覚えられない…

バイブレータで横に流したらダメなの?

この記事の要点

打込み・締固めの決まりは、ほぼすべて材料分離を起こさせないためのものです。

  • 自由落下高さ1.5m以下1層の打込み高さ40〜50cm以下
  • 棒状バイブレータ=挿入間隔50cm以下1か所5〜15秒下層に10cm挿入ゆっくり引き抜く
  • 型枠内で横移動させない。バイブレータは運ぶ道具ではありません
  • ★許容打重ね時間間隔は、外気温が高いほど短くなる。

数値の引っかけは「2.0m」「1.0m」「30秒以上」。どれも目安より大きい側に振ってきます。

まず、覚える数値を1枚にまとめます。

すべては材料分離を防ぐため

コンクリートは、重い粗骨材軽いモルタル分が混ざったものです。高い位置から落とす、横に流す、長く振動させる。どれをやっても重いものと軽いものが分かれます。これが材料分離です。

打込み・締固めの数値は、この分離を起こさせない限度として決まっています。

打込み・締固めの数値(模式図) 型枠 吐出口 ★自由落下 1.5m 以下 ★1層 40〜50cm ★挿入間隔 50cm 以下 ★下層へ 10cm (上下層を一体化) 上層 下層
打込み・締固めの数値(模式図)。
項目 数値 出た誤り
自由落下高さ(吐出口〜打込み面) 1.5m以下 2.0m以下
1層の打込み高さ 40〜50cm以下 1.0m以下
バイブレータの挿入間隔 50cm以下
1か所あたりの挿入時間 5〜15秒程度 30秒以上
下層への挿入深さ 10cm程度

棒状バイブレータの使い方

締固めの要点は4つです。

  • コンクリートの横移動には使わない……振動を与えながら横へ動かすと、流動したモルタル分だけが先に移動して粗骨材が取り残されます。バイブレータは締め固める道具であって、運ぶ道具ではありません
  • 下層に10cm程度挿入する……上下層を一体化させるためです。
  • 1か所あたり5〜15秒程度……「30秒以上」は長すぎで誤りです。
  • ゆっくり引き抜く……穴が残らないようにするためです。

打込み前と打込み中の決まり

打ち始めてからでは直せないことがあります。事前の確認が要点です。

  • 打込み前に、鉄筋・型枠の配置、清掃状態等を確認する。
  • 打込み前に、降雨や強風等への対応策を準備しておく。
  • 吸水するおそれのある型枠は、あらかじめ湿らせておく……コンクリート標準示方書の記述です。「湿らせてはならない」は逆で誤りです。
  • 型枠内で横移動させてはならない……材料分離を招きます。
  • 勾配のある部位は、低い位置から順に打ち上げる
  • シュートは縦シュートを標準とする……斜めシュートは重い粗骨材が先へ転がって分離します。やむを得ず使う場合は分離を防ぐ措置をとります。

それでも粗骨材が分離してモルタル分が少ない部分ができたら、その粗骨材をすくい上げて、モルタルの多いコンクリートの中に埋め込んで締め固めます。捨てるのではなく、戻して一体にします。

連続して打つ。ただし壁・柱とスラブは別

原則は連続打込みです。計画した打継目以外では、打込みが完了するまで連続して打ち込みます。途中で止めると、そこが弱点になるからです。

ところが、スラブが壁または柱と連続している場合は違います。

壁・柱に打ったコンクリートは、自重で沈下します。沈下が終わらないうちにスラブを連続して打つと、壁・柱側の沈下に引きずられてスラブ部に段差や沈下ひび割れが生じます

正しくは、壁・柱の沈下がほぼ終わってからスラブを打ち込みます。「これらを連続して打ち込むようにする」は誤りです。

コールドジョイントは外気温が高いほど早く来る

先に打ったコンクリートが固まりはじめてから次を打つと、一体にならずコールドジョイントという不連続面ができます。これを防ぐ限度が許容打重ね時間間隔です。

★この時間は外気温が高いほど短くなります。暑いほど固まるのが早いためです。「外気温が高いほど長くなる」は逆で誤りです。

1回の打込み面積が大きく、許容打重ね時間間隔の確保が困難な場合は、階段状に打ち込むことが有効です。

混同しやすい用語

締め固める と 移動させる

棒状バイブレータは締め固める道具で、運ぶ道具ではありません。振動させながら横へ動かすと、流動したモルタル分だけが先に移動して粗骨材が取り残され、材料分離になります。「材料分離を防ぐため、棒状バイブレータで横移動させながら充填する」という肢が出ますが、目的も手段も逆です。

連続して打つ と 沈下を待つ

原則は計画した打継目以外は連続打込みです。ただしスラブが壁・柱と連続している場合は例外で、壁・柱の沈下がほぼ終わってからスラブを打ち込みます。連続して打つと沈下ひび割れが生じます。原則の言葉だけで判断すると引っかかります。

過去問でどう問われたか

打込み・締固めは1級・2級とも毎年出ます。引っかけは3型です。

  • 数値を大きい側に振る……2.0m、1.0m、30秒以上。
  • 横移動を認めさせる……「材料分離を防ぐため横移動させながら充填する」。
  • 向きを逆にする……型枠を「湿らせてはならない」、打重ね時間間隔が「外気温が高いほど長くなる」、壁柱とスラブを「連続して打ち込む」。
出題年度・級(問番)問われ方/引っかけ
令和8年度 2級(No.11)自由落下「2.0m以下」、1層「1.0m以下」→ どちらも目安より大きく誤り ←①(正答2)
令和7年度 2級(No.11)バイブレータで横移動させる→ 誤り。5〜15秒・下層10cm・ゆっくり引き抜くは正しい ←②(正答1)
令和7年度 1級(No.15)スラブと壁・柱を「連続して打ち込む」→ 誤り。沈下がほぼ終わってから ←③(正答2)
令和6年度 2級前期(No.11)挿入時間「30秒以上」→ 誤り。5〜15秒程度 ←①(正答2)
令和6年度 2級前期(No.13)型枠を「湿らせてはならない」→ 誤り。あらかじめ湿らせておく ←③(正答4)
令和5年度 1級(No.10)斜めシュートを標準、横移動で充填、打重ね時間間隔が「高いほど長い」→ 3つとも誤り ←②③(正答2)

管理人からのコメント

数値は5つありますが、覚え方は単純です。出題は必ず「大きい側」に振ってきます。2.0m、1.0m、30秒以上。迷ったら厳しいほう(小さいほう)が正しいと考えて構いません。

もうひとつ、横移動は形を変えて何度も出ます。「材料分離を防ぐために横移動させる」という書き方をされると一瞬迷いますが、バイブレータで運んだ時点で分離です。目的の言葉に引きずられないでください。

理解度チェック

問題:棒状バイブレータの1か所あたりの挿入時間と、下層への挿入深さは。

挿入時間は5〜15秒程度、下層へは10cm程度挿入して上下層を一体化します。挿入間隔は50cm以下、引き抜くときは穴が残らないようゆっくり引き抜きます。「30秒以上」は長すぎで誤りです。(令和6年度2級前期 No.11、令和7年度2級 No.11)

問題:コールドジョイントの許容打重ね時間間隔は、外気温が高いほど長くなるか。

逆で、外気温が高いほど短くなります。暑いほど先に打ったコンクリートが早く固まるためです。打込み面積が大きく確保が困難な場合は、階段状に打ち込むことが有効です。(令和5年度1級 No.10、令和7年度1級 No.15)

問題:スラブが壁または柱と連続している場合、連続して打ち込んでよいか。

いけません。壁・柱の沈下がほぼ終わってからスラブを打ち込みます。連続して打つと壁・柱側の沈下に引きずられ、スラブ部に段差や沈下ひび割れが生じます。「計画した打継目以外は連続して打ち込む」という原則の例外です。(令和7年度1級 No.15)

まとめ

  • 自由落下高さ1.5m以下1層の打込み高さ40〜50cm以下。「2.0m」「1.0m」は誤り。
  • 棒状バイブレータ=挿入間隔50cm以下1か所5〜15秒下層に10cmゆっくり引き抜く。「30秒以上」は誤り。
  • 横移動させない。バイブレータは締め固める道具で、運ぶ道具ではない。
  • 打込み前に鉄筋・型枠の配置と清掃、降雨・強風への備えを確認する。吸水するおそれのある型枠はあらかじめ湿らせておく
  • 縦シュートを標準とする。分離した粗骨材はすくい上げてモルタルの多い中に埋め込む
  • 原則は連続打込み。ただしスラブが壁・柱と連続する場合は沈下を待つ
  • ★許容打重ね時間間隔は外気温が高いほど短い。困難なら階段状に打ち込む

打込み後の管理はコンクリートの養生、暑中・寒中の扱いは寒中・暑中コンクリートで確認できます。

参考資料

  • 土木学会「コンクリート標準示方書 施工編」
  • 一般財団法人 全国建設研修センター 公表の第一次検定 問題・正答
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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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