けんせつる
スランプ12cm指定で15.0cmって、合格?
85%と呼び強度以上、どっちがどっち?
この記事の要点
受入れ検査はスランプ・空気量・塩化物含有量・圧縮強度の4項目です。数値がそのまま問われます。
定番の誤りは「12cm指定で上限15.0cm」。正しくは14.5cmです。0.5cmだけずらしてきます。
まず、4項目を一覧で押さえます。
| 項目 | 基準 | 例 |
|---|---|---|
| スランプ | 8cm以上18cm以下は許容差±2.5cm | 12cm指定 → 9.5〜14.5cm |
| 空気量 | 許容差±1.5% | 4.5%指定 → 3.0〜6.0% |
| 塩化物含有量 | 塩化物イオン量として原則0.30kg/m³以下 | 0.1kg/m³ → 合格 |
| 圧縮強度 | 1回=呼び強度の85%以上 3回の平均=呼び強度以上 |
呼び強度24 → 1回20.4以上/平均24以上 |
あわせてアルカリ総量3.0kg/m³以下も問われます(アルカリシリカ反応の抑制対策)。「4.0kg/m³を合格と判定」は誤りです。
JIS A 5308のスランプの許容差は、指定した値によって変わります。
| 指定スランプ | 許容差 |
|---|---|
| 2.5cm | ±1cm |
| 5・6.5cm | ±1.5cm |
| 8cm以上18cm以下 | ±2.5cm |
| 21cm | ±1.5cm |
真ん中の柔らかい範囲だけ許容差が広く、両端の硬い側と軟らかすぎる側は狭くなっています。
「スランプ12cmで許容されるスランプの上限値は15.0cm」は誤りです。上限は14.5cmです。逆に14.5cmちょうどは差が2.5cmなので範囲内で合格になります。
圧縮強度だけ、基準が2つあります。どちらに何を当てるかが問われます。
「呼び強度以上」を1回の結果に当てる記述は誤りです。1回だけなら85%以上でよいのです。ばらつきを見込んで、平均で帳尻が合えばよいという考え方です。
そのほか、次の2点も出ます。
1級では、検査のやり方まで問われます。
電磁誘導法が測るのは硬化したコンクリート内部の鉄筋で、まだ固まっていないコンクリートの水の量とは関係がありません。
混同しやすい用語
1回の結果(85%以上) と 3回の平均(呼び強度以上)
当てる対象が逆になります。1回の試験結果に求められるのは呼び強度の85%以上、3回の試験結果の平均値に求められるのが呼び強度以上です。呼び強度24なら、1回は20.4以上、平均は24以上。「呼び強度以上」を1回の結果に当てる肢が誤りになります。
許容差 と 上限値
スランプ12cm指定で許容差±2.5cmなら、範囲は9.5〜14.5cmです。上限は14.5cmであって15.0cmではありません。14.5cmちょうどは差が2.5cmなので合格です。空気量も同じで、4.5%指定・許容差±1.5%なら3.0〜6.0%、6.5%は範囲外です。
受入れ検査は1級で3年連続、2級で6年連続出ています。引っかけは3型です。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和8年度 2級(No.56) | 「12cmで上限値は15.0cm」→ 誤り。14.5cm ←①(正答1) |
| 令和7年度 2級(No.56) | スランプ15.0cmが判定基準を満足しない。塩化物0.1・平均21.5・1回20.5は満足 ←①(正答2) |
| 令和7年度 2級後期(No.56) | 「呼び強度以上」を1回の結果に当てる→ 誤り。1回は85%以上 ←②(正答3) |
| 令和6年度 2級後期(No.56) | 塩化物イオン0.8kg/m³→ 0.30を超過で不合格 ←(正答1) |
| 令和6年度 1級 問題B(No.16) | 空気量6.5%、塩化物1.2kg/m³、アルカリ総量4.0kg/m³→ 全て範囲外。スランプ14.5cmだけ合格(正答1) |
| 令和7年度 1級 問題B(No.16) | 単位水量の推定に「電磁誘導法」→ 誤り。鉄筋の位置・かぶりを測る試験 ←③(正答2) |
問題:スランプ12cm指定のとき、許容される上限値は何cmか。
14.5cmです。スランプ8cm以上18cm以下の許容差は±2.5cmで、範囲は9.5〜14.5cm。15.0cmは上限を超えます。14.5cmちょうどは差が2.5cmなので合格です。空気量は許容差±1.5%で、4.5%指定なら3.0〜6.0%です。(令和8年度2級 No.56)
問題:圧縮強度の合否基準を、1回の結果と3回の平均で分けて言うと。
1回の試験結果は呼び強度の85%以上、3回の試験結果の平均値は呼び強度以上です。「呼び強度以上」を1回の結果に当てるのは誤りです。材齢は一般に28日で、スランプ・空気量が許容値以内でも圧縮強度試験は実施します。(令和7年度2級後期 No.56)
問題:塩化物含有量はどう求めるか。単位水量の推定に電磁誘導法は使えるか。
フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度と、配合計画書の単位水量から求めます。基準は原則0.30kg/m³以下です。電磁誘導法は使えません。これは硬化したコンクリート内部の鉄筋の位置やかぶり厚さを調べる非破壊試験です。(令和7年度1級 問題B No.16)
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
管理人からのコメント
この単元は計算というより読み取りです。指定値に許容差を足し引きするだけ。ただし出題側は0.5cmだけずらしてきます。12cm+2.5cm=14.5cmを、15.0cmと書く。暗算できる範囲なので、必ず自分で足してください。
85%と呼び強度以上は、意味から考えると間違えません。1回のばらつきには甘く、平均には厳しい。1回きりの結果で全部を判断するのは酷なので85%まで許し、そのかわり3回の平均は呼び強度に届いていなければならない、という組立てです。