編集部
相対濃度計で出た「カウント」を、どうやって質量濃度に直すの?と迷いますよね。かけ算する係数(K値)の意味と、その求め方で整理できます。
この記事の要点
相対濃度計(光散乱方式)は粉じんの質量を直接測らず、散乱光の強さをカウント(cpm)で表します。質量濃度(mg/m³)に直すには質量濃度変換係数(K値)をかけます。K値は、ろ過捕集・重量分析との併行測定で求めます。
粉じんの濃度を手早く測れるのが相対濃度計です。ただし出てくるのは相対的な値で、そのままでは管理に使う質量濃度になりません。
相対濃度(カウント)にK値をかけると質量濃度になります。K値はろ過捕集・重量分析との併行測定で求めます。
代表は光散乱方式です。粉じんに光を当て、粒子で散乱した光の強さを電気信号に変えて、1分あたりのカウント数(cpm)で表します。
散乱光は質量に比例するわけではないので、得られるのは相対濃度です。
もう一つ、圧電天秤方式があります。圧電結晶板に電気集じんで粉じんを捕集し、付着した質量で振動の周波数が変わることを利用します。
K値は、相対濃度を質量濃度に変換する係数です。相対濃度計と、分粒装置を付けたろ過捕集装置を同時に動かす(併行測定)。
ろ過捕集・重量分析で求めた質量濃度を、相対濃度計の1分あたりのカウント数で割ると、K値になります。
計算例:併行測定で質量濃度が1.5 mg/m³、相対濃度計が60分で9000カウントのとき。
1分あたり = 9000 ÷ 60 = 150 カウント。K値 = 1.5 ÷ 150 = 0.01(mg/m³/カウント)。
K値は、発散源の近くで大きく、発散源から離れるほど小さくなる傾向があります。
光散乱方式は、粒径0.3 µm付近に感度のピークがあり、そこから外れると感度が下がります。
そのため、質量濃度が同じでも、粒径5 µmの粒子の散乱光は、粒径0.3 µmの粒子より小さくなります。粒径によって散乱の出方が違う、という点が問われます。
混同しやすい用語
相対濃度(カウント) と 質量濃度(mg/m³)
相対濃度計が出すのはカウント(相対値)で、そのままでは管理に使えません。K値をかけて質量濃度に直してはじめて、管理濃度と比べられます。
光散乱方式 と 圧電天秤方式
光散乱方式は散乱光の強さ、圧電天秤方式は付着した粉じんの質量による振動周波数の変化を利用します。
相対濃度計は、デザイン・サンプリングでほぼ毎回(問14)問われます。次の点を入れ替える引っかけが中心です。
相対濃度計の値(カウント)をそのまま質量濃度として扱ったり、散乱光と粒径の大小を逆にしたりするのは誤りです。カウント×K値=質量濃度で、K値は併行測定で求めます。
問題:質量濃度変換係数(K値)は、どうやって求めるか。
ろ過捕集・重量分析との併行測定で求めた質量濃度を、相対濃度計の1分あたりのカウント数で割って求めます。
問題:質量濃度が同じとき、粒径5 µmの粒子の散乱光は、粒径0.3 µmの粒子より大きい。
〇か×か。
答え:×
逆です。質量濃度が同じなら、粒径5 µmの散乱光は粒径0.3 µmより小さくなります(感度のピークは0.3 µm付近)。
相対濃度計(光散乱方式)はカウント(相対濃度)を出すだけで、質量濃度に直すにはK値をかけます。
K値はろ過捕集・重量分析との併行測定で求め、発散源の近くで大きくなります。
散乱光は粒径で変わり、同じ質量濃度なら大きい粒子ほど散乱光は小さい、という点が過去問でよく問われます。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月