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令和7年8月 作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問8を解説(有害物質の物性)

令和7年8月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問8は、有害物質の物性に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、溶けやすさ・密度・蒸気の重さ・高温での変化といった、有害物質の基本的な物理化学的性質を一通り確認するものです。

問われるのは個々の数値の暗記というより、性質の向き(重い・軽い、溶ける・溶けない、何から何が得られるか)が正しいかどうかです。

引っかけの核心は、原料と生成物の関係が逆向きに書かれている一肢を見抜けるかどうかにあります。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢4(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1○(正しい)アセトンは水と任意の割合で混ざり合う(任意混和)ので正しい。
2○(正しい)エチレンオキシドの蒸気は空気より重い(蒸気密度が大きい)ので正しい。分子量が空気の平均より大きいことに対応する。
3○(正しい)ジクロロメタンは水より密度が大きく、水に入れると下に沈むので正しい。
4×(誤り)原料と生成物が逆。コールタールを分留してコールタールナフサなどが得られるのであって、ナフサからコールタールが得られるのではない。
5○(正しい)石英を長時間高温にさらすと、トリジマイトやクリストバライトに変化するので正しい(いずれも結晶質シリカ)。

選択肢4のポイント(ここが誤り)

コールタールは、石炭を高温で乾留したときに生じる黒い粘り気のある液体です。

これ自体がさまざまな成分の混合物で、ここから蒸留(分留)することで沸点の違う成分が分かれて取り出されます。

コールタールナフサは、その分留によって得られる成分の一つです。つまり順序はコールタール → 分留 → ナフサです。

選択肢4は、この向きを「コールタールはコールタールナフサの分留により得られる」として、ナフサを原料・コールタールを生成物のように書いています。

原料と生成物が入れ替わっているので誤りです。実際には分留される側がコールタール分留で出てくる側がナフサであり、関係は逆です。

このタイプは、化学的事実そのものを知らなくても、「AはBの分留で得られる」と書かれたとき、どちらが元の混合物でどちらが分かれて出る成分かを意識すると見抜けます。

混合物(コールタール)を分けて成分(ナフサ)が出る、という大きい側から小さい側への向きが基本です。

覚え方

  • 分留される混合物がコールタール、出てくる成分がナフサ(逆に書いたら誤り)
  • 「AはBの分留で得られる」型は、AとBのどちらが元の混合物か確認
  • 蒸気が空気より重いか軽いかは、分子量と空気のおよそ29との大小で判断
  • ハロゲンを含む溶剤(ジクロロメタンなど)は水より重く、水に沈むものが多い
  • 石英・トリジマイト・クリストバライトはいずれも結晶質シリカ、高温で相が移り変わる

理解度チェック

問題:コールタールとコールタールナフサは、どちらが分留される側で、どちらが分留で得られる側か。

答えを見る

分留される側がコールタールで、分留で得られる側がコールタールナフサです。コールタールという混合物を分留すると、ナフサなどの成分に分かれます。順序を逆にした記述は誤りになります。

問題:ある物質の蒸気が空気より重いか軽いかは、何を手がかりに判断できるか。

答えを見る

その物質の分子量と、空気の見かけの分子量およそ29との大小で判断します。分子量が29より大きければ蒸気は空気より重く、低い位置にたまりやすくなります。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(デザイン・サンプリング)令和7年8月」公表試験問題 問8・公表正答。
  • 各物質の物性は、職場のあんぜんサイト(GHSモデルラベル・SDS情報)など一次的な化学物質情報による。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。