令和7年8月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問13は、液体捕集法と直接捕集法に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、液体捕集法と直接捕集法の使い分けと原理を問うものです。
液体捕集法は、粒子状物質では捕集液との慣性衝突、ガス状物質では捕集液への溶解や化学反応を利用します。
直接捕集法は、試料空気を捕集袋や真空捕集瓶にそのまま採取する方法で、揮発性が高く安定したガス状物質に向いています。
引っかけの核心は、直接捕集法が有機溶剤を「全て」捕集できるかのように一般化しているところにあります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢5(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 粒子状物質の液体捕集が、粒子と捕集液との慣性衝突を利用するとするのは正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | ガス状物質の液体捕集で、捕集液への溶解作用や化学反応を利用して捕集するとするのは正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | ミゼットインピンジャーにガラスビーズを入れて気液の接触を増やし、ガス状物質の捕集率を高めるとするのは正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 真空捕集瓶のコックで、漏れ防止用のグリースの使用を避けるとするのは正しい(グリースへの吸着・汚染を避けるため)。 |
| 5 | ×(誤り) | 有機溶剤を「全て」直接捕集法で捕集できるとするのが誤り。直接捕集法は揮発性が高く安定した物質に向き、すべての有機溶剤に使えるわけではない。 |
直接捕集法は、試料空気を捕集袋や真空捕集瓶などの容器にそのまま採取する方法です。
捕集液や吸着剤で濃縮せずに空気ごと持ち帰るため、向いているのは揮発性が高く、容器の中で安定して存在し続けるガス状物質に限られます。
有機溶剤には、沸点が高く揮発しにくいものや、容器内で吸着・分解・変質しやすいものも含まれます。
こうした物質をそのまま空気ごと採取すると、容器の壁に吸着したり変質したりして正しく定量できません。そのため、実際には固体捕集法など別の方法が選ばれます。
それを「有機溶剤は全て直接捕集法で捕集できる」と、ひとくくりに言い切ってしまうのが誤りです。
「全て」「いずれも」「常に」のような全称の言葉が出たら、例外が一つでもあれば誤りになります。
直接捕集法が向くのは一部のガス状物質であって、有機溶剤の全部ではない、という一点に集約されます。
問題:有機溶剤は、すべて直接捕集法で捕集できるか。
いいえ。直接捕集法が向くのは揮発性が高く安定したガス状物質で、沸点が高い溶剤や容器内で変質しやすい溶剤には適しません。すべての有機溶剤に使えるわけではありません。
問題:液体捕集法で、粒子状物質とガス状物質では利用するしくみがどう違うか。
粒子状物質は、粒子と捕集液との慣性衝突で捕らえます。ガス状物質は、捕集液への溶解作用や化学反応で捕らえます。同じ液体捕集でも、利用するしくみが異なります。
出典
※ 最終更新:2026年6月