令和7年8月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問11は、固体捕集法に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、固体捕集法の基本を広く問うものです。
問われているのは、固体捕集法がどういう方法か(活性炭・シリカゲルなどの吸着剤にガス状の物質を吸着させて捕集する)、吸着剤ごとの性質(シリカゲルの活性化・活性炭の吸着特性・ポーラスポリマービーズの不活性さ)、そして破過の見分け方です。
引っかけの核心は、固体捕集法で捕集できる対象を「液体である特定化学物質に限られる」と狭く言い切ったところにあります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢1(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 捕集できる対象を「液体である特定化学物質に限られる」とするのが誤り。固体捕集法はガス状物質を広く吸着捕集する方法で、液体である物質に限られない。 |
| 2 | ○(正しい) | シリカゲルは水分で吸着容量が変わるため、100〜110℃で約1時間加熱して活性化したものを使う、という記述は正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 活性炭は無極性の有機溶剤に対する吸着力が強い、という記述は正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | ポーラスポリマービーズは活性炭より表面が不活性で、捕集した不安定な化合物が変化しにくい、という記述は正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 捕集管の後層から測定対象物質が検出されたら破過の可能性がある、という記述は正しい。 |
固体捕集法は、活性炭・シリカゲルなどの吸着剤を詰めた捕集管に試料空気を通し、空気中のガス状物質を吸着剤の表面に吸着させて捕集する方法です。
対象は有機溶剤や特別有機溶剤、特定化学物質のガス・蒸気と幅広く、どの吸着剤を選ぶかは相手の物質の極性などで決めます。
選択肢1は、捕集できる対象を「25℃・1気圧で液体である特定化学物質に限られる」と狭く言い切っています。ここが誤りです。
固体捕集法は気体・蒸気の状態で空気中に存在する物質を吸着でとらえる方法であって、その物質が常温・常圧で液体か気体かという分類で捕集の可否が決まるわけではありません。
「〜に限られる」という言い切りが、正しそうに見える記述を誤りにしている仕掛けです。
問題:固体捕集法で捕集できるのは、25℃・1気圧で液体である特定化学物質に限られるか。
限られません。固体捕集法は活性炭やシリカゲルなどの吸着剤に空気中のガス状物質を吸着させて捕集する方法で、対象は有機溶剤・特別有機溶剤・特定化学物質と幅広く、常温・常圧で液体である物質に限定されません。
問題:捕集管の後層から測定対象物質が検出された場合、何を疑うか。
破過を疑います。前層の吸着剤で捕えきれなかった物質が後層まで届いたことを意味し、測定対象を取りこぼしている可能性があります。後層の検出は破過の見分け方として使われます。
出典
※ 最終更新:2026年6月