令和7年2月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問11は、固体捕集法に使う捕集剤の性質に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、固体捕集法で使う捕集剤(活性炭・シリカゲル・ポーラスポリマービーズなど)が、それぞれどんな物質を捕まえるのに向くかを問うものです。
活性炭は無極性の物質、シリカゲルは極性の大きい物質を吸着し、合成樹脂系のポーラスポリマービーズは表面が不活性という性質を押さえると解けます。
引っかけの核心は、ポーラスポリマービーズの表面の活性が「高い」と取り違えるところにあります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 活性炭の活性化を、乾いた空気か窒素の気流中で約200℃に加熱して脱水する方法とするのは正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | シリカゲル管は活性炭管より極性の大きいガス状物質の捕集に向く、とするのは正しい(シリカゲルは極性物質を吸着)。 |
| 3 | ×(誤り) | ポーラスポリマービーズを「表面の活性が高く不安定な化合物の捕集に適さない」とするのが誤り。表面は不活性で、むしろ不安定な化合物の捕集に向く。 |
| 4 | ○(正しい) | 捕集剤にシリカゲルや活性炭などの吸着剤、ガスクロ分析用のカラム充填剤を使い、金属繊維を使うこともある、とするのは正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 活性炭管でガス状物質を捕集するとき、管を垂直に保つとするのは正しい(充填層の偏りを防ぐため)。 |
ポーラスポリマービーズは、多孔質の合成樹脂でできた捕集剤です。最大の特徴は、表面が化学的に不活性なところにあります。
表面で余計な反応を起こしにくいので、捕まえた物質をそのままの形で保ちやすい捕集剤です。
そのため、熱や化学反応で分解しやすい不安定な化合物の捕集にはむしろ向いています。
表面が活発な活性炭では、捕集の過程で物質が変化してしまうことがあり、こうした物質には使いにくい場面があります。
選択肢3は、これを「活性炭に比べて表面の活性が高い」「だから不安定な化合物の捕集に適さない」と、活性の高低を逆に述べています。
表面が不活性だからこそ不安定な化合物に向く、という性質をそのまま反対にしているのが誤りです。
活性が高ければ捕まえた物質が壊れやすくなる、という向きで覚えると取り違えにくくなります。
問題:ポーラスポリマービーズは表面の活性が高く、不安定な化合物の捕集には向かないといえるか。
いいえ。ポーラスポリマービーズは表面が不活性で、捕まえた物質を変化させにくい捕集剤です。熱や反応で分解しやすい不安定な化合物の捕集には、むしろ向いています。
問題:活性炭とシリカゲルは、それぞれどんな性質の物質の捕集に向くか。
活性炭は無極性の物質の吸着に向き、シリカゲルは極性の大きい物質の吸着に向きます。捕まえたい物質の極性に合わせて捕集剤を選びます。
出典
※ 最終更新:2026年6月