令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問9は、作業環境測定基準に定める測定の方法に関する問題です。
5つの記述のうち、法令上、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、有害物質のA測定・温熱条件・騒音・事務所の一酸化炭素・酸素濃度といった、測定方法の細かな決まりを問うものです。
引っかけの核心は、有害物質のA測定で直接捕集方法により試料を採取する場合も、採取時間を10分以上の継続した時間としなければならないと述べている点です。
10分以上の継続採取が求められるのはろ過捕集や液体捕集などの方法で、検知管などの直接捕集方法はこの条件の対象外です。
捕集方法による条件の違いをすり替えるのが、この肢の誤りです。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢1(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | A測定の10分以上の継続採取は直接捕集方法には適用されない。検知管などの直接捕集方法はこの採取時間の条件の対象外である。 |
| 2 | ○(正しい) | 寒冷の屋内作業場の気温・湿度の測定は、作業場の中央部の床上50cm以上150cm以下の位置で1か所以上行うので、正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 騒音の測定は音源に近接する場所で作業する労働者について、騒音レベルが最も大きくなる時間に行うので、正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 中央管理方式の空気調和設備を設けた事務所の一酸化炭素は、床上75cm以上120cm以下の位置で1か所以上測定するので、正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 第1種酸素欠乏危険作業の酸素濃度は、適当な位置で5か所以上測定するので、正しい。 |
有害物質のA測定では、試料空気の採取時間を10分以上の継続した時間とするのが原則です。
ろ過捕集方法や液体捕集方法などで、ある程度の時間をかけて空気を吸引することで、その場の平均的な濃度をとらえる狙いがあります。
ただし、検知管方式などの直接捕集方法は、その場で短時間に濃度を読み取る方法のため、10分以上の継続採取という条件は適用されません。
選択肢1は「直接捕集方法により採取する場合」と限定しておきながら、本来は対象外であるこの方法にまで10分以上の継続採取を当てはめている点が誤りです。
原則の数字(10分以上)は正しくても、それが及ぶ捕集方法を取り違えると誤りになる、という典型的な引っかけです。
他の4つは、寒冷の作業場の測定位置、騒音の測定時間、事務所の一酸化炭素の測定位置、酸素濃度の測定点数と、測定基準の決まりを正しく述べています。
誤りは「直接捕集方法でも10分以上の継続採取」という1点です。
問題:有害物質のA測定で、検知管などの直接捕集方法でも採取時間を10分以上の継続した時間としなければならないか。
いいえ。10分以上の継続採取が求められるのはろ過捕集や液体捕集などの方法で、直接捕集方法はこの条件の対象外です。直接捕集方法はその場で短時間に濃度を読み取る方法です。
問題:第1種酸素欠乏危険作業の場所で酸素濃度を測定するとき、測定点は何か所以上か。
適当な位置で5か所以上測定します。狭い場所でも複数点で測り、酸素濃度の低い箇所を見落とさないようにします。
出典
※ 最終更新:2026年6月