令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問20は、石綿障害予防規則(石綿則)に関する問題です。5つの記述のうち、法令上、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、石綿等を扱う作業での特別教育・設備・健康診断・測定・作業の記録といった義務を問うものです。
引っかけの核心は、石綿等を取り扱う作業に労働者を従事させるとき、作業の内容にかかわらず特別の教育を行わなければならないと述べている点です。
石綿の特別教育は石綿等の切断等の作業や、解体・封じ込め・囲い込みの作業など、粉じんが発散しやすい作業を対象とするもので、全ての石綿取扱い作業が一律に対象になるわけではありません。
対象を広げすぎているのが、この肢の誤りです。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢1(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 石綿の特別教育は切断等・解体等の作業を対象とするもので、作業の内容にかかわらず全ての取扱い作業が対象になるわけではない。 |
| 2 | ○(正しい) | 石綿等を取り扱う作業場には、洗眼・洗身・うがいの設備、更衣設備、洗濯のための設備などを設ける必要があり、正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 石綿の粉じんを発散する場所の業務に常時従事する労働者には、雇入れ・配置替えの際とその後6か月以内ごとに1回、医師による健康診断を行うので、正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 石綿等を取り扱う屋内作業場では6か月以内ごとに1回、空気中の石綿の濃度を測定するので、正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 常時石綿等を取り扱う作業では、1か月を超えない期間ごとに作業の概要や従事した期間などを記録するので、正しい。 |
石綿の特別教育は、石綿の粉じんを多く吸い込むおそれが高い作業に従事する労働者を対象にしています。
具体的には、石綿等の切断等の作業や、石綿が使用されている建築物・工作物・船舶の解体・破砕・封じ込め・囲い込みといった作業です。
これらは作業中に石綿が飛散しやすく、教育で危険性と防護を理解させる必要が高いためです。
選択肢1は、これを作業の内容にかかわらず、石綿等を取り扱うあらゆる作業で特別教育が必要だと広げて述べています。
実際には対象となる作業が定められており、全ての石綿取扱い作業が一律に特別教育の対象になるわけではありません。
「対象作業が決まっている」のに「内容を問わず全部」と言い換えているのが誤りです。
他の4つは、洗身等の設備、健康診断、測定、作業の記録と、石綿則の決まりを正しく述べています。誤りは「作業の内容にかかわらず特別教育」という1点です。
問題:石綿等を取り扱う作業は、作業の内容にかかわらず全て特別教育の対象になるか。
いいえ。石綿の特別教育は切断等の作業や解体・封じ込め・囲い込みの作業などが対象です。全ての石綿取扱い作業が一律に対象になるわけではありません。
問題:石綿等を取り扱う屋内作業場の空気中の石綿の濃度は、どのくらいの頻度で測定するか。
6か月以内ごとに1回測定します。健康診断も同様に、雇入れ・配置替えの際とその後6か月以内ごとに1回行います。
出典
※ 最終更新:2026年6月