令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問15は、有機溶剤中毒予防規則(有機則)に関する問題です。5つの記述のうち、法令上、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、有機溶剤を扱う作業での設備・保護具・健康診断・作業主任者などの義務を問うものです。
引っかけの核心は、第2種有機溶剤等を用いて試験研究の業務を行う場合、常時従事する労働者に有機溶剤等健康診断を行わなくてもよいと述べている点です。
試験研究の業務で除外されるのは作業主任者の選任などであって、健康診断は必要です。除外される義務の範囲を取り違えさせるのが、この肢の誤りです。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢4(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 有機溶剤等を入れたタンクの内部など蒸気を発散するおそれが高い業務では、送気マスクを使用させる必要があり、正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 第2種有機溶剤等の局所排気装置で空気清浄装置を設けていない場合、排気口を屋根から1.5m以上の高さとする必要があり、正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 第2種有機溶剤等を用いる試験研究の業務では、有機溶剤作業主任者を選任しなくてもよいとされており、正しい。 |
| 4 | ×(誤り) | 試験研究の業務でも、有機溶剤等を用いる業務に常時従事する労働者には有機溶剤等健康診断が必要。「行わなくてもよい」は誤り。 |
| 5 | ○(正しい) | 第3種有機溶剤等を用いる吹付け以外の洗浄等の業務では作業環境測定を行わなくてもよい場合があり、要件に沿っていれば正しい。 |
有機則は、試験研究の業務について一部の義務を緩和しています。代表的なのが有機溶剤作業主任者の選任の除外で、これは選択肢3のとおりです。
試験研究は少量・短時間で多様な物質を扱う実情があるため、作業主任者の選任までは求めない、という整理です。
一方、有機溶剤等健康診断は、有機溶剤等を用いる業務に常時従事する労働者の健康を守るためのもので、試験研究の業務であっても省略されません。
選択肢4は、作業主任者の選任が除外されることと混同して、健康診断まで「行わなくてもよい」としている点が誤りです。
除外されるのは作業主任者などの一部で、健康診断は試験研究でも必要、と切り分けて覚えると間違えません。
他の4つは、送気マスク、排気口の高さ、作業主任者選任の除外、第3種の取扱いと、有機則の決まりを正しく述べています。
誤りは「試験研究なら健康診断は不要」という1点です。
問題:第2種有機溶剤等を用いて試験研究の業務を行う場合、常時従事する労働者の有機溶剤等健康診断は不要か。
いいえ。有機溶剤等を用いる業務に常時従事する労働者には、試験研究の業務であっても有機溶剤等健康診断が必要です。試験研究で除外されるのは作業主任者の選任などです。
問題:有機溶剤の局所排気装置で空気清浄装置を設けていない場合、排気口の高さはどうするか。
排気口を屋根から1.5m以上の高さとする必要があります。清浄せずに排気する分、周囲への影響を抑えるための決まりです。
出典
※ 最終更新:2026年6月