令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問12は、特定化学物質の区分(第1類・第2類・第3類、特別管理物質など)に関する問題です。
5つの記述のうち、法令上、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、特定化学物質の3つの類と、その中で発がん性などを理由に追加の管理が求められる特別管理物質の関係を問うものです。
引っかけの核心は、第3類物質にも特別管理物質に該当するものがあると述べている点です。
特別管理物質は第1類・第2類のうち発がん性等のあるもので構成され、漏えい防止が中心の第3類物質(アンモニア・塩化水素・ホスゲンなど)には特別管理物質はありません。
類と特別管理物質の対応を取り違えるのが、この肢の誤りです。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 第1類物質は製造に厚生労働大臣の許可が必要な有害性の高い物質で、記述は正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 特別有機溶剤はクロロホルムなど発がん性が指摘される特定化学物質で、特別管理物質に含まれるので正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 特別管理物質は第1類・第2類のうち発がん性等のあるもので構成され、第3類物質に特別管理物質はない。 |
| 4 | ○(正しい) | コールタールは第2類物質に区分される特定化学物質で、記述は正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | ホスゲンは第3類物質に区分される特定化学物質で、記述は正しい。 |
特定化学物質は、有害性に応じて第1類・第2類・第3類に分かれます。
このうち特別管理物質は、がん原性などがあり、長期にわたる健康管理が必要な物質として、第1類・第2類の中から指定されています。
作業の記録を30年間保存する、健康診断の記録も長期保存する、といった上乗せの管理が求められるのが特別管理物質です。
第3類物質は、アンモニア・塩化水素・ホスゲンなど、大量漏えいによる急性中毒の防止が主眼の物質群で、特別管理物質に該当するものはありません。
選択肢3は「第3類物質には特別管理物質に該当するものがある」と述べていますが、特別管理物質の出どころは第1類・第2類であり、第3類にはない、という対応関係が誤っています。
他の4つは、第1類の製造許可、特別有機溶剤、コールタール(第2類)、ホスゲン(第3類)と、区分を正しく述べています。
誤りは「第3類に特別管理物質がある」という1点です。
問題:第3類物質に特別管理物質に該当するものはあるか。
ありません。特別管理物質は第1類・第2類のうち発がん性等のあるもので構成されます。第3類物質は漏えい防止が中心の物質群で、特別管理物質には含まれません。
問題:特別管理物質に求められる上乗せの管理にはどのようなものがあるか。
作業の記録を30年間保存する、健康診断の記録を長期保存する、事業の廃止時に記録を所轄労働基準監督署長へ報告するなど、長期にわたる健康管理が求められます。
出典
※ 最終更新:2026年6月