作業環境測定士 独学ノート
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令和5年8月 作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問11を解説(個人サンプリング法)

令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問11は、個人サンプリング法による作業環境測定に関する問題です。

5つの記述のうち、法令上、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、個人サンプリング法を行える測定機関や対象作業、そして測定のしかたを問うものです。

引っかけの核心は、労働者が動き回り発散源に近接する場所で作業が行われる単位作業場所でも、濃度が最も高くなると思われる時間に試料採取を行う必要はないと述べている点です。

発散源の近くで作業する場所では、最も高い濃度をとらえるための採取(B測定に相当するD測定)が必要です。やらなくてよいとするのが、この肢の誤りです。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢5(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1○(正しい)個人サンプリング法による測定を行う作業環境測定機関は、その方法によるデザイン・サンプリングの登録を受けている必要があり、正しい。
2○(正しい)金属アーク溶接等作業の溶接ヒュームの測定で、登録を受けていない第1種作業環境測定士でも試料採取を行える仕組みがあり、正しい。
3○(正しい)低管理濃度特定化学物質で発散源の場所が一定しないものは、全て個人サンプリング法の対象となるので、正しい。
4○(正しい)有機溶剤に係る測定で発散源の場所が一定しないものは、種類にかかわらず個人サンプリング法の対象となるので、正しい。
5×(誤り)発散源に近接して作業が行われる単位作業場所では、濃度が最も高くなる時間に試料採取を行う必要がある。「行う必要はない」は誤り。

選択肢5のポイント(ここが誤り)

個人サンプリング法でも、考え方は通常のA測定・B測定と同じです。

場の平均的な濃度をとらえる測定(A測定に相当するC測定)に加えて、発散源の近くで作業する場合には、その人が高い濃度にさらされる時間をとらえる測定(B測定に相当するD測定)を行います。

選択肢5は、労働者が常に動いていて発散源に近接して作業する単位作業場所について、濃度が最も高くなると思われる時間の採取は不要だと述べています。

これは、最も高い濃度(ばく露の山)を見逃さないための測定をやらなくてよいと言っているのと同じで、誤りです。

発散源の近くで作業する場面こそ、最高濃度の時間帯の採取が必要です。

他の4つは、登録を受けた測定機関、溶接ヒュームの取扱い、低管理濃度特定化学物質・有機溶剤での対象範囲と、個人サンプリング法の決まりを正しく述べています。

誤りは「最高濃度の時間の採取は不要」という1点です。

覚え方

  • 個人サンプリング法でもC測定(A相当)+発散源近くはD測定(B相当)
  • 発散源に近接して作業=最も高くなる時間の採取が必要(不要としない)
  • 発散源の場所が一定しない有機溶剤・低管理濃度特化物=個人サンプリング法の対象
  • 測定機関は個人サンプリング法の登録が必要

理解度チェック

問題:個人サンプリング法で、発散源に近接して作業が行われる単位作業場所では、濃度が最も高くなる時間の試料採取は不要か。

答えを見る

いいえ。最も高くなると思われる時間に試料採取(B測定に相当するD測定)を行う必要があります。発散源の近くで作業する場面の高い濃度を見逃さないためです。

問題:個人サンプリング法のC測定とD測定は、通常のどの測定に相当するか。

答えを見る

C測定はA測定(場の平均的な濃度の把握)に、D測定はB測定(発散源に近い高い濃度の把握)に相当します。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(労働衛生関係法令)令和5年8月」公表試験問題 問11・公表正答。
  • 作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)の個人サンプリング法(C測定・D測定)に関する規定(厚生労働省・e-Gov法令検索)。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。