令和8年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.37は、建設工事における仮設計画について、最も不適当なものを選ぶ問題です。5つの選択肢から選ぶ形式で、盗難防止・事務所の配置・工事用電源・分電盤の扉・電波障害対策が並びます。
この問題は、仮設計画で使いやすさと安全のどちらを優先するかを問うものです。仮設だから簡略でよい、という考え方は通りません。
引っかけの核心は、選択肢4が「操作が容易にできるように、施錠しない」と、使いやすさを理由にしている点です。もっともらしく読めますが、分電盤は関係者以外が触れないようにする対象です。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当なもの)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 盗難防止のセキュリティ設備は仮設計画に含まれる |
| 2 | 正しい | 移動が多い場所を避ける。何度も動かす手間と危険を減らす |
| 3 | 正しい | 当初は仮設発電機、その後に受電へ切り替える計画は一般的 |
| 4 | 誤り | 扉は施錠し、関係者以外が開けられないようにする |
| 5 | 正しい | 電波障害対策としての仮設アンテナは近隣対策の定番 |
最も不適当なのは選択肢4です。
分電盤の扉の中には、開閉器と充電部が並んでいます。誰でも開けられる状態にしておくと、感電と他人による誤操作の2つが起きます。工事現場は電気の作業者以外も出入りするので、その両方が現実に起こりえます。
労働安全衛生規則は、充電部分の扱いを次のように定めています。
労働安全衛生規則 第329条(電気機械器具の囲い等)
事業者は、電気機械器具の充電部分(…)で、労働者が作業中又は通行の際に、接触し、又は接近することにより感電の危険を生ずるおそれのあるものについては、感電を防止するための囲い又は絶縁覆いを設けなければならない。ただし、配電盤室、変電室等区画された場所で、事業者が第三十六条第四号の業務に就いている者(以下「電気取扱者」という。)以外の者の立入りを禁止したところに設置し、又は電柱上、塔上等隔離された場所で、電気取扱者以外の者が接近するおそれのないところに設置する電気機械器具については、この限りでない。
ただし書きが認めているのは、電気取扱者以外の立入りを禁止した場所や、そもそも人が近づけない場所です。現場に置く仮設分電盤はどちらにも当たりません。だから扉を施錠して開けられる人を限るのが、この条の考え方に沿った計画になります。
この肢は1級でも同じ形で出ています。令和7年度1級No.56では「仮設分電盤の扉は、開閉器の操作がすぐにできるように、施錠しない計画とした」が最も不適当な肢とされました(正答5)。理由の書き方を「すぐに」から「容易に」へ変えただけで、判断は変わりません。
操作の速さが要るなら、施錠をやめるのではなく鍵の管理を決めて、扱える人をはっきりさせるのが仮設計画のやり方です。
仮設分電盤の扉を施錠するのはなぜか。
充電部への接触による感電と、関係者以外による誤操作を防ぐためです。扱える人を鍵で限ります。
仮設事務所を移動の多い場所に置かないのはなぜか。
工事の進捗に伴って何度も移設することになり、手間と危険が増えるためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月