令和8年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.21は、低圧屋内幹線の電線太さを選ぶときに検討する項目のうち、最も関係のないものを選ぶ問題です。電圧降下・許容電流・周囲温度・接地抵抗の4つが並びます。
この問題は、電線の太さが何で決まるかを問うものです。太さを決める理由は2つしかありません。流す電流に耐えることと、末端で電圧が下がりすぎないことです。
引っかけの核心は、選択肢4の接地抵抗が電気を流す線ではなく、地面へ逃がす線の話だという点です。太さの選定とは別の系統に属します。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も関係のないもの)
> この論点をやさしく解説:分岐回路の電線の太さは何で決まるのか?過電流遮断器の定格電流ごとの最小サイズ
| 選択肢 | 項目 | 太さとの関係 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | 電圧降下 | ある | 太くすれば抵抗が下がり、末端の電圧の落ち込みが小さくなる |
| 2 | 許容電流 | ある | 解釈第146条の表で、太さごとに許容電流が決まっている |
| 3 | 周囲温度 | ある | 許容電流の計算に周囲温度が入る。暑い場所ほど流せる電流が減る |
| 4 | 接地抵抗 | ない | 地絡したときに電流を地面へ逃がす性能。幹線の太さとは別の話 |
最も関係がないのは選択肢4です。
幹線の太さは、次の順で決まります。
3つめの周囲温度が効くことは、解釈の許容電流の規定に書かれています。
電気設備の技術基準の解釈 第146条 146-3表(備考)
θは、周囲温度(単位:℃)。ただし、30℃以下の場合は30とする。
周囲温度が高いほど電線から熱が逃げにくく、同じ太さでも流せる電流が減ります。つまり周囲温度は許容電流を通して太さに効くので、検討項目に入ります。
いっぽう接地抵抗は、機器の外箱や中性点から大地までの抵抗値です。役目は地絡したときの電位上昇を抑えて感電を防ぐことで、幹線に何アンペア流れるかとは無関係です。同じ考え方は過去にも出ています。平成27年度後期No.25は高圧ケーブルの太さの検討項目を問う問題で、負荷容量・短絡電流・許容電流が並ぶなか、地絡電流が最も関係のないものとされました(正答3)。大地へ流れる側の量は、太さの根拠にならないという線は同じです。
周囲温度が高いと、同じ太さの電線の許容電流はどうなるか。
小さくなります。電線から熱が逃げにくくなるためで、解釈第146条の許容電流の計算に周囲温度が入っています。
許容電流を満たした太さでも、さらに太くすることがあるのはなぜか。
電圧降下が許容値を超える場合です。幹線が長いと末端の電圧が下がるので、抵抗を下げるために太くします。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月