令和7年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.37は、建設工事における施工要領書について、最も不適当なものを選ぶ問題です。選択肢は5つあり、技術・技能の習得・承諾・図表の活用・記載の省略・品質の均一化の5点が並びます。
この問題は、施工要領書が誰に見せる書類かを問うものです。現場だけで使う内部資料ではなく、発注者側に確かめてもらう書類です。
引っかけの核心は、選択肢2の「承諾を省略できる」です。省略してよいのは常識的な事項の記載であって、承諾のほうではありません。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当なもの)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 初心者の技術・技能の習得に使える |
| 2 | 誤り | 着手前に承諾を得る。省略できない |
| 3 | 正しい | 部分詳細や図表で分かりやすくする |
| 4 | 正しい | 常識的な事項の記載は省略できる |
| 5 | 正しい | 施工品質の均一化と向上を図れる |
最も不適当なのは選択肢2です。
承諾を得ることは、1級で正しい肢として出ています。
平成25年度 1級 学科試験 No.69 選択肢4(正しい肢/正答は選択肢2)
工事の着手前に作成して,工事監理者の承諾を得る。
この年に不適当とされたのは選択肢2の「他の現場においても共通に利用できるようにする」でした。承諾を得る肢は正しいものとして残っています。令和7年度は、その承諾を「省略できる」と書き換えた形です。
承諾が要る理由は、施工要領書がどう作るかを施工者が決めて、それでよいと発注者側に確かめてもらう書類だからです。工事監督員が中身を見ないまま工事が進めば、できあがってから設計意図と違うことが分かる恐れがあります。
選択肢4の「常識的な事項の記載を省略できる」と混同しないことが大切です。この2つは省略する対象が違います。
| 対象 | 省略できるか |
|---|---|
| 常識的な事項の記載 | 省略できる。書き出すと厚くなり読まれなくなる |
| 設計者・工事監督員の承諾 | 省略できない。着手前に得る |
残る3つは、施工要領書が何のためにあるかを表しています。作業ごとの手順や注意点を1つの書類にまとめておけば、誰が担当しても同じ出来になり(選択肢5)、経験の浅い人の教材にもなります(選択肢1)。そのためには文章だけでなく、部分詳細や図表を入れて分かりやすくすることが要ります(選択肢3)。
なお、平成25年度で不適当とされた「他の現場においても共通に利用できるようにする」は、施工要領書がその現場の条件に合わせて作るものだからです。使い回すものではありません。
施工要領書は誰の承諾を得るか。いつ得るか。
設計者や工事監督員(工事監理者)の承諾を、工事の着手前に得ます。省略はできません。
施工要領書で省略してよいのは何か。
一般的に常識的な事項の記載です。書き出すと厚くなり、かえって読まれなくなるためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月