令和7年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.61は、使用者が労働者名簿に記入しなければならない事項として、労働基準法上、定められていないものを選ぶ問題です。
この問題は、労働者名簿と賃金台帳の役割の違いを分かっているかを問うものです。労働者名簿はその人が誰で、いつからいつまで働いたかを記録する帳簿です。
いくら払ったかは、別の帳簿に書きます。
正解:選択肢4(基本給、手当の額)
| 選択肢 | 事項 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 労働者の履歴 | 法第107条第1項に定めがある |
| 2 | 雇入の年月日 | 施行規則第53条第四号 |
| 3 | 退職の事由 | 施行規則第53条第五号 |
| 4 | 基本給、手当の額 | 賃金台帳の記載事項。定められていない |
定められていないのは選択肢4です。
労働基準法は、使用者に3つの帳簿を備えることを求めています。
| 帳簿 | 何を記録するか |
|---|---|
| 労働者名簿 | 誰がいつからいつまで、どんな業務で働いたか |
| 賃金台帳 | いくら払ったか。基本給、手当、労働時間数など |
| 出勤簿等 | いつ働いたか |
労働者名簿の記載事項は、施行規則に列挙されています。
労働基準法施行規則 第53条
法第百七条第一項の労働者名簿(様式第十九号)に記入しなければならない事項は、同条同項に規定するもののほか、次に掲げるものとする。
一 性別 二 住所 三 従事する業務の種類 四 雇入の年月日
五 退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)
ここに賃金に関する項目はありません。法第107条第1項が定める氏名・生年月日・履歴と合わせても、金額は出てきません。
選択肢1の履歴は、この法第107条第1項に書かれているものです。施行規則の列挙だけを見ると見つからないので、条文が二段構えになっていることを押さえておきます。
選択肢4の「基本給、手当の額」は賃金台帳の記載事項です。労働者名簿と賃金台帳はどちらも労働基準法が備え付けを求める帳簿なので、どちらに書くかを入れ替えるのがこの問題の手口です。
分けるコツは、名簿は「人」、台帳は「金」と考えることです。名簿はその人の身元と在籍の記録、台帳は支払いの記録。この2つが混ざらなければ迷いません。
労働者名簿に記入する事項を挙げよ。
氏名、生年月日、履歴のほか、性別、住所、従事する業務の種類、雇入の年月日、退職の年月日およびその事由です。
基本給や手当の額はどの帳簿に書くか。
賃金台帳です。労働者名簿には賃金に関する項目はありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月