令和6年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.47は、高圧架空配電線路の施工に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、がいしを用途で使い分けることを分かっているかを問うものです。高圧電線の引留めには耐張がいしを使います。
多溝がいしは、低圧の引込線などを支持するためのものです。
正解:選択肢3(引留め支持に多溝がいし)
> この論点をやさしく解説:高圧架空配電線路の施工とは?接続・分岐・引留支持の決まりを整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 圧縮スリーブで接続 | 確実な接続方法。適当 |
| 2 | 支線の埋設部に打込み式アンカ | 支線の引張りを受ける。適当 |
| 3 | 引留め支持に多溝がいし | 耐張がいしを使う。不適当 |
| 4 | 張線器でたるみを調整 | 延線後の作業。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、多溝がいしも配電線路に実際に使われるがいしで、名前だけでは違和感が出ないところです。用途が違います。
同じ文が平成27年度(後期)No.41でも出ています。
| 出題 | 「引留め支持に多溝がいし」の扱い |
|---|---|
| 平成27年度(後期)No.41 | 肢4 → 正答4(不適当) |
| 令和6年度(前期)No.47 | 肢3 → 正答3(不適当) |
2年度とも同じ文が答えになっています。言い回しもほとんど同じなので、覚えておけば確実に取れます。
がいしの使い分けは次のとおりです。
| がいし | 用途 |
|---|---|
| 耐張がいし | 高圧電線の引留め。電線の張力を受ける |
| 高圧ピンがいし | 直線部分での高圧電線の支持 |
| 多溝がいし | 低圧の引込線など、複数の電線を並べて支持する |
| 玉がいし | 支線の途中に入れて絶縁する |
引留めは電線を引っ張って止めるところなので、大きな張力がかかります。耐張がいしはその力に耐える形と強度を持っています。多溝がいしは溝に電線を載せて支えるだけなので、引留めには使えません。
選択肢2の玉がいしは、支線が断線したときに地上の人が感電しないよう、地表上2.5m以上の位置に取り付けます。支線そのものは電気を流しませんが、切れて電線に触れる可能性があるためです。
選択肢4の張線器(シメラ)は、電線を引っ張ってたるみを調整する工具です。たるみは大きすぎても小さすぎても問題になります。
| たるみ | 起きること |
|---|---|
| 大きすぎる | 風で振れて他物に接触する。地上高が足りなくなる |
| 小さすぎる | 張力が大きくなり、寒い日に縮んで断線するおそれ |
高圧電線の引留めに使うがいしは。
耐張がいしです。電線の張力を受けるための形と強度を持っています。
玉がいしはどこに取り付けるか。
支線の途中で、断線したときに地表上2.5m以上となる位置に取り付けます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月