令和6年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.33は、支保工を用いた切梁式土留め(山留め)工法において、図に示す工法アと工法イの名称の組合せとして正しいものを選ぶ問題です。
この問題は、土留め壁の見た目で工法を見分けられるかを問うものです。図の工法アは波形の板が連続して並んだ壁、工法イは縦の柱の間に横板を渡した壁です。
前者が鋼矢板工法、後者が親杭・横矢板工法です。
正解:選択肢4(鋼矢板工法/親杭・横矢板工法)
| 選択肢 | 組合せ(ア/イ) | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 連続地中壁/柱列壁 | どちらもコンクリートの壁。誤り |
| 2 | 連続地中壁/親杭・横矢板 | アが違う。誤り |
| 3 | 鋼矢板/柱列壁 | イが違う。誤り |
| 4 | 鋼矢板/親杭・横矢板 | 図のとおり。正しい |
正しいのは選択肢4です。
引っかけの核心は、4つの工法がすべて実在する土留め工法で、名前だけでは選べないところです。壁の断面の見た目で決まります。
| 工法 | 壁の作り方 | 止水性 |
|---|---|---|
| 親杭・横矢板 | H形鋼を一定間隔で打ち、間に木の板を落とし込む | 無い(板のすき間から水が入る) |
| 鋼矢板(シートパイル) | 波形の鋼板をかみ合わせて連続して打ち込む | ある(継手がかみ合う) |
| 柱列壁 | モルタル柱を並べて壁にする | ある |
| 連続地中壁 | 溝を掘って鉄筋を入れコンクリートを打つ | ある(最も高い) |
図で見分ける手がかりは縦の柱があるかどうかです。親杭・横矢板は柱(H形鋼)が等間隔に立ち、その間に横板が渡っています。鋼矢板は同じ形の板が連続して並び、柱がありません。
選択肢1と2の連続地中壁、選択肢3の柱列壁は、どちらもコンクリート系の壁です。鋼材を打ち込むのではなく、地面を掘ってから固めて作ります。図のように鋼材が見える壁ではありません。
選び方は工事の条件で決まります。
| 工法 | 使いどころ |
|---|---|
| 親杭・横矢板 | 地下水位が低い浅い掘削。安く早い |
| 鋼矢板 | 地下水位が高い場所。止水が要るとき |
| 柱列壁・連続地中壁 | 深い掘削、隣に建物があって振動を避けたいとき |
水を止める必要があるかどうかが最初の分かれ目です。親杭・横矢板は板のすき間から水が入るので、地下水位が高い場所では使えません。
設問の切梁式は、掘った穴の中に水平の梁を渡して土圧を受ける方式です。これに対して、地面にアンカーを打って引っ張るのがアンカー式です。切梁式は掘削面の中に梁があるので、掘削機械の動きが制限されます。
親杭・横矢板工法と鋼矢板工法の見分け方は。
縦の柱があるかどうかです。親杭・横矢板はH形鋼の柱の間に横板を渡し、鋼矢板は同じ形の波形板が連続します。
止水性がないのはどの工法か。
親杭・横矢板工法です。板のすき間から水が入るため、地下水位が高い場所には向きません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月