令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.38は、ネットワーク工程表と比較したタクト工程表の特徴に基づく工程表の選定に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、タクト工程表がどんな工事に向くかを分かっているかを問うものです。同じ作業を階ごとに繰り返す工事に向きます。
作業と人数が階ごとに揃うので、稼働人員はむしろ把握しやすくなります。
正解:選択肢2(稼働人員を把握する場合は採用しにくい)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 作成・管理が容易 | 形が単純。適当 |
| 2 | 稼働人員の把握に採用しにくい | むしろ把握しやすい。不適当 |
| 3 | クリティカルパスの把握に採用しにくい | 作業の関連が表せない。適当 |
| 4 | 階層別に把握しやすい | 縦軸に階を並べる。適当 |
| 5 | 高層ビルの工程管理に適する | 繰り返し作業が多い。適当 |
最も不適当なのは選択肢2です。
タクト工程表は、同じ作業を各階で繰り返す工事のための工程表です。1つの作業に割り当てる期間(タクト)を揃えて、階を1つずつずらしながら並べます。
タクト工程表の形
縦軸に階(1階、2階、3階…)、横軸に日程を取り、
同じ作業が階段状にずれて並ぶ。作業班が下の階から上へ移っていく。
各作業の期間が揃っているので、どの日にどの作業班が何人いるかが一目で分かります。作業班の数と人数は決まっているので、稼働人員の把握はむしろ得意です。
選択肢2は「採用しにくい」と書いていますが、これは逆です。
タクト工程表が苦手なのは、選択肢3が言うクリティカルパスの把握です。
| 工程表 | 得意なこと | 苦手なこと |
|---|---|---|
| タクト工程表 | 階ごとの進み具合 作成が容易 |
作業どうしの関連を表せない。クリティカルパスが分からない |
| ネットワーク工程表 | 作業の前後関係 クリティカルパス |
作成に手間がかかる。全体を一目で見にくい |
タクト工程表は、階ごとに同じ作業を並べているだけで、「この作業が終わらないとあの作業が始められない」という関係を線で示していません。だから、どの経路が工期を決めているかを読み取れません。
選択肢5の高層ビルが向いているのは、基準階が何層も続くからです。同じ間取りの階が繰り返されるので、作業も同じ内容の繰り返しになります。
この問題は、タクト工程表の弱点は1つ(作業の関連が分からない)だけと押さえておけば解けます。それ以外の「採用しにくい」は疑ってかかります。
タクト工程表はどんな工事に向くか。
高層ビルの基準階のように、同じ作業を各階で繰り返す工事です。
タクト工程表でクリティカルパスが分からないのはなぜか。
階ごとに作業を並べているだけで、作業どうしの前後関係を線で示していないためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月