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令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 No.52を解説、全館はハイ側

令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.52は、事務所ビルの全館放送に用いる拡声設備に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は、定電圧方式とスピーカのインピーダンスが対になっていると分かるかを問うものです。引っかけの核心は、定電圧方式なのにローインピーダンスのスピーカを選んでいる点にあります

組み合わせが合いません。

正解:選択肢3

> この論点をやさしく解説:拡声設備とは?スピーカの接続方式とインピーダンスの違いを整理

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 適当 全館放送は伝送距離が長いので定電圧方式にする
2 適当 音量調整器を絞っていても一斉放送を流せる3線式
3 不適当 定電圧方式にはハイインピーダンスのスピーカを使う
4 適当 非常警報設備のスピーカへの配線は耐熱配線にする

最も不適当なのは選択肢3です。

選択肢3のポイント(ここが答え)

ビルの全館放送は、増幅器から各階のスピーカまで距離が長くなります。この距離が方式を決めます。

長い距離を送るときの問題

 電流が大きいと、電線の抵抗で電力が失われる
    ↓
 電圧を高くして電流を小さくすれば、損失が減る
    ↓
 これが定電圧方式(ハイインピーダンス方式)

選択肢1は、この理由をそのまま書いています。定電圧方式を選んだなら、スピーカもそれに合うものでなければなりません

2つの方式を並べます。

方式 スピーカ 向いている使い方
定電圧方式 ハイインピーダンス ビル全館など長距離・多数台
低インピーダンス方式 ローインピーダンス 短距離・少数台。音質を優先する場合

ハイインピーダンスのスピーカにはトランス(整合変圧器)が内蔵されています。高い電圧を、スピーカが鳴らせる大きさに落とします。

多数台をつなげるのも定電圧方式の長所です。並列につないでいっても、合計の電力が増幅器の容量内なら鳴ります

選択肢2の3線式は、非常放送のしくみです。

3線式が要る理由

 部屋の音量調整器を絞ったり切ったりしている
    ↓
 そのままでは非常放送が聞こえない
    ↓
 3本目の線で調整器を迂回させ、一斉放送を強制的に流す

選択肢4の耐熱配線は、火災のときに配線が焼けて放送が止まらないようにするためです。非常警報設備に求められます。

覚え方

  • 全館放送は定電圧方式+ハイインピーダンス。組で覚える
  • 電圧を高くして電流を減らすから損失が小さい
  • 3線式は音量調整器を迂回して非常放送を流すしくみ

理解度チェック

Q.

全館放送で定電圧方式を使うのはなぜか。

伝送距離が長いからです。電圧を高くして電流を小さくすれば、電線の抵抗による電力損失が減ります。

Q.

音量調整器を3線式で配線するのはなぜか。

調整器を絞ったり切ったりしていると非常放送が聞こえないからです。3本目の線で調整器を迂回させ、一斉放送を強制的に流します。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(前期)問題」「同 正答肢」
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