令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.15は、変電所に用いられる高圧計器用変成器の取扱いに関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、CTの二次側を開放してはいけないことを知っているかを問うものです。引っかけの核心は、短絡すべきところを開放と書いている点にあります。
開放すると高電圧が出ます。
正解:選択肢2
> この論点をやさしく解説:計器用変流器の二次側を開放してよいか?VT・CT・ZCTで分かれる扱い
> この論点をやさしく解説:地絡方向継電器とは?零相電圧と零相電流の位相差を見る仕組みを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | VTは二次側の1線を接地する。高圧が二次側へ出るのを防ぐため |
| 2 | 不適当 | CTの二次側は短絡する。開放すると高電圧が発生する |
| 3 | 適当 | ZCTは三相分を一括して貫通させ、地絡電流を検出する |
| 4 | 適当 | CTの二次端子の接続を誤ると保護継電器が誤動作しうる |
最も不適当なのは選択肢2です。
計器用変流器(CT)は、一次側に大きな電流が流れ続けている状態で使われます。この電流は二次側の都合では変わりません。
二次側を開放すると、その電流をすべて鉄心を磁化する働きに使ってしまいます。鉄心が飽和し、二次側に高い電圧が現れます。
CTの二次側を開放するとどうなるか
二次電流が流れない → 打ち消す磁束がなくなる
↓
鉄心が飽和する → 二次側に高電圧が発生する
↓
絶縁の破壊、感電、鉄心の過熱につながる
だから、CTの二次側に接続した計器を外すときは先に二次端子を短絡します。短絡しておけば電流が流れる道があり、高電圧は出ません。
VTとCTでは、やってはいけないことが逆になります。
| 機器 | 二次側でやること | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| 計器用変圧器(VT) | 1線を接地する | 短絡(大電流が流れて焼損する) |
| 計器用変流器(CT) | 使わないときは短絡する | 開放(高電圧が発生する) |
覚え方は「電圧を測るVTは短絡が禁物、電流を測るCTは開放が禁物」です。もとの量と逆のことをしてはいけない、と結び付きます。
ZCT(零相変流器)は、三相の電線をまとめて貫通させます。
ZCTのしくみ
正常時 → 三相の電流の合計は0 → 出力は出ない
地絡時 → 大地へ電流が漏れて合計が0でなくなる → 出力が出る
一括して通すのは、三相の合計がゼロかどうかを見るためです。1本ずつ通したのでは合計が取れません。
接地線をZCTに通すときは向きに注意します。通し方を誤ると地絡を検出できません。
CTの二次側を開放すると何が起こるか。
一次電流がすべて鉄心を磁化する働きに使われ、鉄心が飽和して二次側に高電圧が発生します。絶縁破壊や感電、鉄心の過熱につながります。
ZCTが三相分を一括して貫通させるのはなぜか。
正常時は三相の電流の合計が0になるからです。地絡が起きると合計が0でなくなり、その差が出力として現れます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月