令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.49は、高圧ケーブルによる架空引込線の施工に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、宙に浮いた場所に弱い点を作らないという考え方を分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、支持点の間という力のかかる場所で接続させている点にあります。
接続部は径間の途中に設けません。
正解:選択肢1
> この論点をやさしく解説:高圧架空配電線路の施工とは?接続・分岐・引留支持の決まりを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 不適当 | 径間の途中では接続しない。支持点で接続する |
| 2 | 適当 | ちょう架用線の金属体にはD種接地工事を施す |
| 3 | 適当 | 3心ケーブルの曲げ半径は外径の8倍以上とする |
| 4 | 適当 | ハンガーの間隔は50cm以下とする |
最も不適当なのは選択肢1です。
径間とは支持点と支持点の間のことです。そこは何にも支えられていません。
径間の途中で接続すると
接続部はケーブル本体より太くて重い
↓
宙に浮いたまま、その重さと張力を受け続ける
↓
風で揺れ、温度で伸び縮みする
↓
接続部に力が集中し、絶縁が傷んで事故につながる
接続が必要なら支持点や引留め箇所など、力のかからない位置で行います。
選択肢2の接地は、ちょう架用線が金属で人の触れやすい高さに来るためです。
ちょう架用線に接地を施す理由
ケーブルを吊っている金属線
↓
ケーブルの絶縁が破れれば電圧が現れる
↓
接地しておけば電流が大地へ逃げる
↓
人が触れても危険にならず、保護装置も動く
選択肢3の曲げ半径は、曲げすぎて絶縁体をつぶさないための決まりです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 高圧3心ケーブルの曲げ半径 | 仕上り外径の8倍以上 |
| ハンガーの間隔 | 50cm以下 |
きつく曲げると、外側は引き伸ばされ、内側はつぶれます。絶縁体に薄い部分ができ、そこから絶縁破壊が始まります。
選択肢4のハンガーは、ケーブルをちょう架用線に吊る金具です。
間隔を詰める理由
間隔が広いとケーブルがたわむ
↓
たわんだ部分に自重が集中する
↓
風で揺れ、こすれて外装が傷む
↓
50cm以下で吊れば、ほぼまっすぐ保てる
径間の途中でケーブルを接続してはいけないのはなぜか。
接続部が本体より太く重いうえ、支えのない位置で張力と風の揺れを受け続けるためです。力が集中して絶縁が傷みます。
ケーブルの曲げ半径に下限があるのはなぜか。
きつく曲げると外側が引き伸ばされ内側がつぶれて、絶縁体に薄い部分ができるためです。そこから絶縁破壊が始まります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月