令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.40は、建設工事の工程管理に用いる工程表に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。選択肢が5つある能力問題です。
この問題は、バーチャートに何が書かれていないかを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、ネットワーク工程表でしか分からないことをバーチャートの長所として並べている点にあります。
余裕時間は作業のつながりが分からないと出せません。
正解:選択肢2
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 作業が上から順に並ぶので、大まかな手順は読み取れる |
| 2 | 不適当 | 余裕時間は分からない。ネットワーク工程表で求める |
| 3 | 適当 | 他工種との関連が分からないので、複雑な工事には向かない |
| 4 | 適当 | 横棒の長さと位置が日数と日程を表す。読み取りやすい |
| 5 | 適当 | クリティカルパスが分からないので用いない、は正しい判断 |
最も不適当なのは選択肢2です。
バーチャートは、作業を縦に並べ、横棒で日程を示した表です。書かれていない情報があります。
バーチャートに無いもの
横棒は「いつからいつまで」を示すだけ
↓
作業どうしのつながり(前後関係)が線で結ばれていない
↓
どの作業が遅れたら次が止まるのか分からない
↓
余裕時間もクリティカルパスも計算できない
余裕時間(フロート)は、後ろの作業をどれだけ待たせずに済むかという値です。つながりが分からなければ出しようがありません。
| 分かること | バーチャート | ネットワーク |
|---|---|---|
| 各作業の所要日数・日程 | 分かる | 分かる |
| 大まかな手順 | 分かる | 分かる |
| 作業どうしの関連 | 分からない | 分かる |
| 余裕時間 | 分からない | 分かる |
| クリティカルパス | 分からない | 分かる |
| 読みやすさ | 誰でも読める | 慣れが要る |
選択肢3・5は、「分からないので用いなかった」という書き方です。バーチャートの弱点を正しく挙げているので、どちらも適当になります。
クリティカルパスは、工程管理でいちばん大事な線です。
クリティカルパスとは
作業のつながりをたどると、いくつかの経路ができる
↓
その中でいちばん日数のかかる経路が全体の工期を決める
↓
この経路上の作業には余裕時間が無い
↓
1日遅れれば工期が1日延びる。ここを重点的に管理する
使い分けは、工事の複雑さで決めます。作業が少なく順番が単純ならバーチャートで足ります。工種が絡み合うならネットワークが要ります。
バーチャート工程表で余裕時間が分からないのはなぜか。
作業どうしのつながりが線で結ばれていないためです。どの作業が遅れたら次が止まるのか分からないので、余裕時間を計算できません。
クリティカルパスとは何か。
作業のつながりをたどった経路のうち、いちばん日数のかかる経路です。この経路上の作業には余裕時間が無く、1日遅れると工期がそのまま延びます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月