令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.36は、鉄道線路の軌道における速度向上策に関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、速く走らせるには軌道を丈夫にするという向きを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、丈夫にする対策を3つ並べ、その中に弱くする方向を1つ混ぜている点にあります。
レールは重いものほど丈夫です。軽くするのは逆向きになります。
正解:選択肢1
> この論点をやさしく解説:軌道の速度向上策とは?道床・レール・まくらぎ・曲線半径の向きを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 不適当 | レールの単位重量は重くする。軽いと変形しやすい |
| 2 | 適当 | 間隔を狭くすると1本あたりの荷重が減り、レールのたわみも減る |
| 3 | 適当 | 曲線半径が大きいほど遠心力が小さく、速く通れる |
| 4 | 適当 | 道床が厚いほど荷重が広く分散し、路盤への負担が減る |
不適当なのは選択肢1です。
レールの単位重量は、1mあたり何kgあるかで表します。50kg、60kgのように呼ぶのがこれです。
重いレールが速度に効く理由
断面が大きく、曲げに強い
↓
車輪が乗ってもたわみが小さい
↓
レールの上下動が減り、乗り心地が良く、揺れが少ない
↓
高速で走らせても軌道が狂いにくい
軽いレールではたわみが大きく、変形や摩耗が早く進みます。速度を上げれば衝撃も大きくなるので、なおさら耐えられません。
| 部材 | 速度向上策 | 狙い |
|---|---|---|
| レール | 重くする | たわみと変形を抑える |
| まくらぎ | 間隔を狭くする | 1本あたりの荷重を減らす |
| 道床 | 厚くする | 荷重を広く分散させる |
| 曲線 | 半径を大きくする | 遠心力を小さくする |
まくらぎ・道床は、レールから来る力を受け止めて地面へ伝える役です。上から順に、レール → まくらぎ → 道床 → 路盤と力が渡っていきます。
力が伝わる順
車輪の荷重がレールにかかる
↓
レールがまくらぎへ伝える(本数が多いほど1本の負担が減る)
↓
まくらぎが道床(バラスト)へ伝える
↓
道床が広い面積で路盤へ伝える(厚いほど広がる)
選択肢3の曲線半径は、車両側の話です。遠心力は速度の2乗に比例し、半径に反比例します。半径が大きければ、同じ速度でも遠心力が小さくなります。
まくらぎの間隔を狭くすると何が良くなるか。
まくらぎ1本あたりにかかる荷重が減り、レールのたわみも小さくなります。軌道が狂いにくくなります。
道床を厚くする狙いは何か。
荷重を広い面積に分散させて路盤への負担を減らすことです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月